実況15 とある告白(解説:命の剪除者MALIA)
「わたし、実は“命の
……。
「……えっ?」
海上都市バーンズに着いてからのホームステイ先で、わたしは家主のおばあさんに告白しました。
このおばあさんは、もちろんNPCです。
「ごめんなさい
「はい。わたしは“命の剪除者”なんです」
「よく、わからない」
「わたし、ここではない場所からきた人なんです」
“大地の民”って、あるんですよ。
この世界の人たちは、存在もしらない民が。
そこでは五行属性の条理が“こちら”とは180度違ってます。
具体的には、火水木金土のうちーー“土”しかない世界。
そして。
そんな大地の民の中で、土以外の四行のどれかをユニーク・スキルとして授けられた人を、命の剪除者というんです。
わたしの授かったユニーク・スキルとは、皆さん土行って思っていたかもしれませんが、
金行のほうだったんですよ。
「えっと……ごめんね。アタシ、最近の若い人の流行りとか、わかんなくてね」
おばあさんは、困った顔で謝ってきました。
なに、してるんでしょ、わたし。
たぶん、このやり取りを何回続けても、おばあさんがわたしを見放すことは絶対にありません。
だから、そんな彼女に甘えていたのかもしれません。
「わたしこそ、困らせてごめんなさい。新しいジョーク、行き当たりばったりに言ってたら迷走しちゃった」
この告白を本当にすべき人たちは、別にいるのですから。
もう、逃げるのはやめにしましょう。
海辺を、みんなで歩きます。
海猫の声と潮の香りが、風に乗ってやってきます。
わたしは、風が大好きです。
なんだか、得した気分になるんです。
風が、まったく吹かない世界からきたんですから。
このパーティにまぜてもらえて、本当に楽しかったです。
みんなに出会えて、幸せでした。
だから、わたしは、真実をここで告げます。
「皆さん。わたし、実は、命のーー」
その瞬間でした、
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