錬金術師は魔を制す ~錬金魔法、色々試してみたけど最強の魔法なのかもしれない~
@lighm
第1話
世界中にダンジョンが現れてから40年、世界中でダンジョンを利用した産業が盛んになっていた。見たこともない鉱石や、現代の技術では作成不可能な武具、未知の言語で書かれた書物など、SF感に満ち溢れた物品が次々と見つかり、それらは人々の心を魅了した。
世界中で研究と探索が進み、ダンジョンが現れてから3年が経った頃、ある一人のダンジョン探索者が指先から電撃を放つ『魔法』を使ったことで、ダンジョンの人気が一気に高まった。特に若者からの人気が強く、それは40年経った今も変わらない。ダンジョン探索者は世界中の10代、20代が目指す職業だった。
_____
「おい
「今行くよ!」
俺、
今日は1年に1度しかない
世界中の全ての人々には
この
検査を受ける場所に向かうバスに乗り、海翔と2人で並んで座る。俺が緊張しているのがわかったのか海翔が声をかけてくる。
「どうした?まさか緊張してるんか~?うりゃうりゃ」
「そりゃあ、まあ...」
海翔は俺の1個上なので去年
火:0
水:4
風:1
土:0
雷:2
光:2
だった。属性は火、水、風、土、雷の基本5属性と、その他の属性の希少属性に分けられる。それぞれの属性に0から10の親和性という物があり、この親和性が高ければ高いほどその属性は強くなる。
海翔は珍しく光属性という希少属性持ちだったが、水よりも親和性が低かったため、ダンジョンでは水属性の魔法を使用し続けていたそう。ちなみに希少属性を持っていない場合は火、水、風、土、雷の5つしか表示されない。
「玲は使いたい属性とかあるか?」
「水と相性がいい雷かな」
「あーね。まあ俺とパーティ組む約束してるもんな!」
そう、探索者になったら俺は海翔とパーティを組む約束をしていた。一緒にダンジョンに潜って探索者として大成するのが2人の子供の頃からの夢だった。その夢を叶えるためにも、雷を引けることを祈っておこう。
「うん、親和性が高ければ嬉しいけど、最悪1あればそれを鍛えればいいし、0じゃなきゃいいかな」
「なるほどな~」
親和性は魔法を使い続けると上がっていき、反対に使っていない魔法の親和性はどんどん下がっていく。だからもともと2あった雷属性と光属性は今では1に下がり、4あった水属性は5に上がった、と海翔が以前話していたのを覚えている。
初めから親和性が0の魔法は使うことができないものの、親和性が1以上最初からある場合はどれだけ使わなくても0になることはない。つまり親和性が1以上の属性であればいつでも使うことができるとのこと。とは言っても親和性が低いうちは大した強さの魔法は使えないので実用レベルまで強くするには使い続けて親和性を上げる必要があるが。
「希少属性なんかあっても面白いかも。あまり期待はしてないけど」
「はは!2人揃って希少属性持ちだったら熱いな!それにあんま戦闘に使える感じじゃないなら俺みたいに無視して他の属性使えばいいんじゃないか?」
「そうだね...光属性の親和性が10になったら何ができるようになるんだろう?普段海翔はどんな使い方してるの?」
海翔は光属性をダンジョン探索中の光源として使っているらしい、確かに光に困らないのは便利そうだ。
「まあ親和性が2だった頃も、別に魔物を一瞬怯ませるくらいの強めの光しか出せなかったし、10になったところで大した強さじゃないような気がするけどな」
「それでも希少属性だし...羨ましいな。俺も持ってないかな」
「まあまあ、検査するまでわからないし、もしかしたらお前も希少属性持ちかもしれないだろ、お、そろそろ降りる準備しとけよ。もう着くぞ」
「了解」
__________
着いた場所は探索者協会、通称ギルドと呼ばれる場所だ。
普段は探索者がダンジョン探索をするために必要な物資を買ったり、逆に探索で手に入れた品を売ったりする場所で、高価な物であればオークションへの出品などもここで出来る。
俺は今日は
もう既に探索者と思われる格好の人たちも後ろの壁の方に大勢いる。付き添いだろうか?と疑問に思っていたが、すぐに解消されることになった。
「わぁ!!希少属性だ!!治癒?」
前から女の子の声が聞こえて、周りがざわつきだす。すると横に立ってた海翔が教えてくれた。
「治癒は文字通り回復系だな。希少属性ってだけでレアだが、回復系はもっとレアで有能だぞ。ダンジョンでは回復手段が基本ポーションしかないからな。魔法で回復できるならポーション代も浮くし早いし自分で回復する必要がないから良い事尽くしなんだ」
「へぇー、じゃあパーティとか引っ張りだこなんだろうな」
と話しているうちに現に既に探索者と思われる者たちが彼女を取り囲んでいる。彼女の治癒の有用性をみんな分かっているのだろう。なるほど、何故
「俺も去年こんな感じだったなぁ、思い出すな、ははは」
「海翔は水の親和性4だった上に希少属性持ちだったもんなぁ...」
「大丈夫、きっと玲も良い属性持ってるって、なんたって俺の親友なんだからな」
「だといいけどね」
更に10分ほど待っていると俺の番がやって来た。
「お二人様ですか?」
「いえ、俺はもう去年受けてるんでこいつだけです、俺は付き添いっす」
そう海翔が告げると受付のお兄さんが水晶玉を取り出してカウンターの上に置いた。
「ではこちらの水晶玉に手を当てて暫くお待ちください」
「わかりました」
言われたとおりに水晶玉に手を当てると目の前に画面が出てくる。そこには俺の属性と親和性が映し出されていた。
火:0
水:0
風:0
土:0
雷:0
錬金術:1
「「「え...?」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます