第6話 あんこ喋り始める

「ガチャ」


「ただいまー」


大きい方のヤツが帰ってきた。

あんこはいつものように出迎える。


「お腹すいたからごはん」

あんこが言った。正確にはAI機器から発せられた声だ。


大きい方のヤツは驚いて声も出ない。


「なんで無反応やねん」

あんこは言った。


そしてあんこのトイレの横を通るときにまた一言。

「うんこしたから片付けといてな」


今度はさすがに大きい方のヤツも声を出した。

「あんこが喋っている・・・ママーあんこが喋り出したよ。」


ママは笑いながら大きい方のヤツに事情を話した。


「なんだそういうことか。でもよくできているね、この機械」


「そうなのよ、本当にあんこが喋ってるみたいでなんか変な感じ」


「でもなんで関西弁なの?」


「なんか色んなバージョンがあって今日は関西弁にしてみたの。」




あんこはお腹が空いている。


「ちょっとごはんまだなん?」

あんこが言う。


「はいはい、ちょっと待ってね、すぐ用意するから」

大きい方のヤツは答える。

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