第62話 将来の約束
―――あれから約一ヶ月。以前と変わらず、朝は正吾君と通学して、お昼休みに部室に集まり皆で過ごす。そして帰りは正吾君はバイトに行き、私は買い物をして部屋で正吾君を待つ。そんな日々を過ごしていた。
クラスの子達とも仲良くなり、それなりに学校生活を楽しんでいる。
私達の生活は特に面白い出来事も無く、GWを迎えようとしていた。
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―――正吾君の部屋で二人まったり寛いでいる。コタツは既に無いのでソファーに二人並んで座っていた。
「正吾君、GW、私の親戚の家に行きますか?」
「ちょっと怖いけど……行ってみたいな。それに、お墓参りも行きたいし」
「なんか、結婚のご挨拶みたいでちょっとドキドキしますね」
「ん――― ……そう……だな……」
あれ? 正吾君の反応が思ってたのとちょっと違った。なんか思い悩んでいるような……。暫く考え込んだと思ったら彼の口から意外な言葉が出た。
「―――あのな、親父達が来た時、丹菜に『正吾を貰ってやってくれ』って親父言ったよな?」
「はい。私、食べ物頂く感じで『頂きます』なんて言っちゃいましたけど……それがどうかしました?」
「あの時からちょっと考えてることがあってな……その……なんだ、お前が……丹菜さえ良ければ……もう、結婚を視野に入れて色々考えてくのも良いのかなって……思っててな」
「―――え?」
ちょっとビックリだ……正吾君からそんな言葉が出てくるなんて……。
「あ―――今の無し無し。忘れてくれ」
私は正吾君の言葉が嬉しくてソファーに座る彼に跨がって首に抱きついた。
「ふふふ……はい♪ 忘れました。『今の無し無し』って部分、しっかり忘れましたよ―――フフ」
「おい、忘れる部分はそこじゃないって。その前の部分だ」
「え? それじゃあプロポーズ、またしてくれるんですか?」
「こんなのプロポーズじゃないって、ちゃんとするからそれまで待ってろ……あ……」
私はその言葉を聞き、正吾君から体を離して彼の顔を見た。
「はい♡ ちゃんと言質とりました。でもこれって殆どプロポーズじゃないですか」
「―――そうなる……か?」
私には、今正吾君の口から出た「ちゃんとするからそれまで待ってろ」の言葉が「結婚の時期が来たら俺から言うからそれまで待ってろ」って聞こえたんだけど……それって、もう「結婚して下さい」なんて私の答えを待つ以前に、「俺とお前は結婚する」って断言された気分……きゃは♡ 陽葵に言いたい―――♡
「正吾君、私は絶対離れません……というか離しません。覚悟して下さい」
「なんか怖い――ンン……」
私は、正吾君が話し終わる前に私の口で正吾君の口を塞いだ。
いつぞやのように、正吾君の唇を私の唇でレイプしている。それに応えて正吾君は私の太ももに手を滑らせ、太ももを
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そして迎えたGW。一泊二日で私の親戚の家へ向かった。
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