第4話 19時のホームは混んでいる

「おい、サム大丈夫か?」「あー、大丈夫さ。」どうやら3階層に着いたようだ。僕らは異次元空間移動中に1階層の力を開放した。全身が金色に光る。体は固体化せず電磁波体にした。リバイバルに気づかれないように。「サム、到着だ。」どこにでもありそうな街並み。2階層と変わらないようだ。すれ違う人間も普通だ。しかし「なんだこの監視カメラは。いたるところにある。」「サムお前も気付いていたかあのカメラ。きっと3階層の人間たちには見えていないんだな。」「きっと、ジルたちリバイバルが管理下に置いているんだ。」目の前に横断歩道。赤信号。止まるはずの車が走ってくる。人が引かれた。監視カメラが赤く光る。1分もたたないうちに救急車が来る。けがをした人間は病院へ。もう一台警察車両に似た黒い車が止まり黒ずくめの2人が素早く車のドライバーを乗せ走り去る。僕らは車を追撃した。車は白っぽい建物に入っていく。僕らは電磁波体で建物内に侵入。いくつもの手術室があった。さっきのドライバーに医師らしき人物が言った。「あなたは合格です。赤信号、信号無視。よくできました。あなたの、その悪の心と行動力は我々、リバイバルにふさわしい。さあ、あなたは仲間です。羽根を授けましょう。」「キーン。」数分でさっきのドライバーはビートンに改造された。「人間兵器ビートンの出来上がりです。」僕らは隣の部屋に移動した次の瞬間動けなくなった。「ようこそ陸くん。それに裏切り者のサムくん。」ジルが目の前に現れる。僕らはジルの網、光の網に引っかかってしまったようだ。「ジル、お前が1階層の僕らに復讐攻撃するのはかまわない。しかし、ほかの人間を巻き込むな。」「へーえ、陸。かなり真剣だな。彼女のせいかな?」そう言ってジルは電磁波の網で縛ったリサを連れてきた。どうやらリサは気を失っているようだ。「ジル、卑怯だぞ。」僕は片手を上げて光攻撃態勢をとった。「あれー、陸。いいのかな。リサちゃん死んじゃうよ。」「サム、すまない。彼女を見殺しにはできない。リサが好きなんだ。」「いいよ。死ぬのあんまり乗り気じゃないけど。まあ、仕方ないさ。」サムが脳に入って来た。『陸、リサを起こすんだ。彼女のグリーン核のエネルギーを使うんだ。あきらめるな。』『OK。行くぞサム。』『せーのっ!リサ起きろー。学食だー。メロンパンだー。』なぜかリサは目を覚ました。実は彼女は無類の食いしん坊だった。リサのお腹が鳴った。彼女は目を覚まし「お腹が空いたー。えっ?これ何?痛い。」ジルを睨みつけてまた気を失い。またすぐに起きた。今度は強い口調で「君、ジルね。早く網をときなさい。電磁波の網これ痛いのよね。君知ってる?」ジルはひるんだ。「お前こそ何を言っているんだ。僕はリバイバルのジルだ。」「はいはい。リバイバルのね。」そう言いながらリサはグリーンの核を光らせ電磁波の網を破壊した。陸は何もできず、呆然としていた。「サム、リサって何者?」「さあ、昼休みいつも学食で大食いしているとこしか知らない。」「えっ?学食?僕はいつも購買部でメロンパン2個買っている可愛い子だなあーってとこしか知らない。」ただの食いしん坊さん?二人の出番もなくリサはジル、その他大勢のリバイバル部隊を制圧した。圧倒的な破壊力だ。すべてが終わり僕はリサに声をかけた。「君は誰?」「私?私はリサ。」「ちょっと待った、ふざけないで教えてくれ。君は誰?」「仕方ないわね。じゃ。」そう言いながらリサの体の中からサリー先生がでてきた。サリー先生はリサを抱きかかえた。リサはぐったり寝ている。「サリー先生。」「陸、ごめんなさいね。あなたの大好きなリサの体を借りてしまいました。」「いえ。大丈夫です。先生のおかげで助かりまた。ありがとうございます。」「でも、このグリーン核すごいわ。破壊的エネルギー。これをこの子がね。それで説明するわよ、1階層が狙われているとの情報がいち早く私に届いたの。それで潜入捜査していたのよ。」「サリー先生、それなら僕らに言ってくれたらよかったのに。僕ら信用ありませんか?」「そうね、敵をだますにはまず味方からっていうでしょう。それにリサの体を借りていることあなたたちにバレないように大変だったのよ。」「全く気付かなかった。なあ、陸。」「あー。」「それに陸、あなたが感じたのは”あたり”。リサは2階層の核を持っている子よ。”グリーン核。”私たち未開発地エネルギー課が探しているものよ。陸、どうする?」「少し時間をください。」「そうお?あと、あなたがカエルに変えた小学生もう十分反省したようだから2階層にもどしたわ。いいかしら。」「はい先生。」では帰りますよ「サム、陸、飛ぶわよ。」「ガタン。」電車に戻った。ホームに着く。時計は19時。会社帰りの人たちでホームは込み合う。乗り換えだ。

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