21歳の幼稚園年少さん その1

そしてまた一年が過ぎました。


久々に褒められたのが鍵になってしまったのでしょうか。

まったくオモラシが治らないルーシアは、幼稚園の年少にまで落とされました。



大きな襟の青いジャケット。

小さく可愛らしいリボン。

円指定のたすき掛けの黄色いカバン。


しかしスカートではなく、やはりオムツ。


身長は高いのにオムツの園児は、多くの新入園児の注目の的になりました。


新しいお友達は不思議そうに親にたずねていますが、やはり親はその正体をすべて知っています。



――お母さん、なんであの子はオムツなの?


遠慮がない振る舞いで、どの娘も訪ねています。



――そうね、こないだまで小学生だったのに、オムツなんて恥ずかしいわね。


泣きたくなりました。

ですが、ルーシアの幼稚園での始めてもお友達もまた、この娘でした。


――私はお姉さんだから、ルーシアちゃんのおむつを替えてあげる!



こう言われては、この小さなお姉さんにお願いする他ありませんでした。

彼女は、エミリーというそうです。

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