美少女に1日1万で雇わてみた

@Contract

第1話 物語は黒服から逃げる所から始まるのがお約束

「お金ないなー、バイトでもするか」


時期は7月4月の心地よい温かさが終わり少し熱くすら感じ始める。


今日は土曜日で気だるい午後、することもなく街中で趣味のグッズを物色して回っていた。


4月でみんながやりたい事、友人関係を持ち始め動いてる中なんとなく家で一日ダラダラしているとゆうのはしたくない。


まあ別に、外に出たからと言って有意義な時間の使い方をするわけではないのだがだからといって、バイトとかサークルとかはしたくない。


休日とゆう事もあり大道りは少し混雑していて歩きにくい、その大通り通りを曲がると急に人気が無くなり、そこから少し歩くと目当ての建物がある。


秘密基地とゆうか、知られざる店とゆう感じがしてこの雰囲気が好きだ。


建物自体は比較的新しく大きい、またそれぞれのフロアごとにそれぞれのグッズや商品が置かれていて一階にはカフェがあるとゆう個人的には最高の場所だ。


建物の中に入ると冷房が効いていて何とも心地よい。

しかもここには好きな物と似た人種しかいない、まさに実家の様な安心感である。


エスカレーターに乗り込み取り敢えず新作の書籍が置いてある3階に向かう。


なんかあったのかな?


エスカレーターで登って行く途中、この場所では珍しく焦ったスーツを着たガタイのいい男性が見えたが、だからといって何かする訳でもなく3階に着いたので目当ての書籍があるコーナーに向かう。


あまりメジャーでは無いので奥の方の人が少ない場所に普段置いてあるのだが、それがいけなかった。


いや、それ自体がいけない事では無いがそこにいたのだ、サングラスとマスクを掛けて周りを警戒する不審者が。


関わらないのが一番だ。


さっさと知らないふりして離れる。


「すみません、怪しい人見なかったですか?」


まさか声を掛けられるとは。

ここは冷静に対応しなければ何されるか分かったもんじゃない!


俺はそのまま指をそいつに指した。


「確かに今の私の格好は怪しいけど、えっとスーツ着ててゴツイ感じで」


「ああ、それならさっき2階のプラモデルの所にいたよ」


「もうそこまで来てるなんて、1万あげるから彼に合わないようにここから私を逃がしてくれないかしら?」


ゲームやマンガで聞いたことあるようなセリフをまさか言われるとは。


「怖いんだけど、理由が分からないしそれ俺犯罪か何かに巻き込まれてない!?」


「理由を説明している時間はないわ、犯罪関係でないのは私が保証します」


どうしようか...。


「見つけた!」


さっきの焦った黒服の人がこっちに走ってくる。


「行くわ!」


「え、ちょ!」


手首をつかまれ強引に走り出す。


「どっちに行くの?」


少し面白そう、そう思った自分がいた。

だからかもしれない、口が動いた。


「その棚を左に!」


体が動いた。


彼女の前に出る。


「そのままついて来て!」


彼女の手を引いて走る、入り組んだ通路を抜け、エスカレーターを登って降りて

ショーケースの脇を横切る。


色んな人が見てくるがしったこっちゃない。

見慣れた日常の景色を通り過ぎ、人通りのない暗い通路を通って外に出る。


普段走らないから息苦しいし、辛い。

でも久しぶりに心から楽しいと思う。

こんな気持ちはいつぶりだろう。


追って来てないのを確認しながら話しかける。


「ここから何か考えがあるの?」


「取り敢えず服が欲しいわ、この服だと見つかりやすいし」


「確かに」


しかし困った、ここら辺で服を売ってる店はあまりない。

俺があんまり行かないのもあるのだが。

取り敢えず辺りを見渡してみるとある通行人を見かけた。

あった、着るものが。


「少しまた走るぞ」


「いいけどこの靴だからあまり遠くは無理よ」


「大丈夫すぐに着く」



俺は友人の働いているメイド喫茶に向かった。


「悪い助かる」


「いいけど、どうしたらこうなるの?」


「一万で逃がしてくれって頼まれたんだ」


俗に言うメイドカフェに来ていた。


幼馴染の日向 春香はここでバイトしていてお店でも結構な人気を誇っている。


他のメイドさんと違ってこうゆう文化にあまり詳しくなくて恥ずかしがってやってるのがいいらしい。


少し日焼けした肌に少し男っぽい性格と整った顔立ち、この業界だと珍しいようで

差別化が出来ているのだろう。


制服の備品があったので今回は貸して貰い更衣室で着替え中で俺はバックヤードで

春香と話していた。


「それって事件っぽくない?」


「俺もそう思った」


「そうゆうのにあんまり関わるような性格じゃないと思ってたんだけど以外ね」


「そこは成り行きと1万で」


「うわー、お金が絡むと余計うさんくさい」


「てゆうかなんでメイド服を彼女に着せてるの?大人しくウニクロ行きなさいよ」


「だって場所知らないし」


「あんたそうゆの疎いもんね、てかスマホで調べなさいよ」


「確かに」


普段こんなことに使わないから、取り敢えず着替える事だけ考えてた。


「てかそれをここに来た時に言ってくれよ」


「仕方ないじゃない、あんたが息切らしながら不審者面した女の子連れてくるんだもん頭回らないよ」


「俺も十分危ないやつだな」


「ほんとよね、よくあんたこの見た目で外で歩いて逮捕されないわ」


「凄い言われようだな、服は機能性が一番なんだよ、何着ていいか分からないから余計同じになるし」


「それなら今度服買うの付き合ってあげてもいいわよ」


「マジか、ほんと助かる!」


「その代わり今度ご飯おごりなさいよ」


「それくらいなら安いもんだ」


コツコツとヒールの音が近づいて来る、どうやら着替えが終わったようで、視界の陰に入った彼女に目を向けた。

時間が止まった。


いたのだ美少女が。

いつも画面やフィギュアでしかいないような美少女が。

あの世界から迷いでてきてしまったのだろうか。


西洋のキリッとした顔ながらも、雰囲気からか可愛いいとゆう言葉が出てくる。

長く伸ばされた金色の髪はふわふわでツヤが出ていて、手間がよくかけられているのが分かる。

背筋がしっかりしていて、上品さが出ている。


「お待たせしました」


「「・・・」」


二人して言葉が出てこなかった、見入ってしまって。


「あの・・・おかしかったですか?」


「あ、いや、違うんだ、えっと似合ってると思って!」


「そうね、私もそう思って」


「着ていて気になったのですが、メイド服が日本では普段着なんですか?」


「違うよ?」


「でもさっきもこの服で出歩いてる方々がいましたが?」


「あーなんてゆうかその服はこの地域限定みたいな感じなんだよ」


「そうなんですか、変わってますね!」


「確かに」


海外から見れば変わった日本の文化なのだろう。


「お金なのですが、スーマートフォンで受け渡し、したいのですが、どれかお持ちですか?」


スマホの画面を差し出してくるが、俺はそうゆうのは持ってない。

何ならクレジットカードすら持ち歩いてない。


「ごめん、スマホにそうゆうの入れてないし楽しかったからお金はいいよ」


「でも元々そうゆう約束でしたし・・・」


「いや大丈夫だって」


「私、約束は守らないと気が済まない性格でして」


「それなら服買って貰ったら?」


俺を指差して春香が言う。


「あんたは服が欲しい」


「で、えっと・・・」


「クレアです、エイミークレア」


「クレアさんはお礼がしたいし、多分服が必要よね?」


「そうですね」


互いに苦笑いを浮かべる。


「私は日向 春香ひなた はるか、はるかでいいよ」


「よろしく春香さん」


「こちらこそ、こっちの冴えないのが空下 そらした こう


「どうも、冴えない空下 光です」


「それじゃあ早速行きましょっか」


「お前仕事はいいのか?」


「今日はもう上がり、ちょっと待っててね」


そう言うと更衣室の方に歩いて行ってしまった。



2人に妙な沈黙が流れる。


何を話せばいいのか全く分からない。

ゲームとかなら選択肢が出て来て楽なんだがリアルではなぜか出て来ない。

バグだろうか、アップデートはまだだろうか。

それを察してかあっちから振ってくる。


「光さんはこうゆう服が格好が好きなんですか?」


「好きだね、大好きだ」


「そんなに好きなんなんですね、洋服に興味があるんですか?」


「洋服ってゆうか、制服が好きなのかな?」


「制服ですか、変わってますね」


「確かに変わってるかも」


「春香さんも制服が好きなんですか?」


「ここでバイトしてるくらいだし春香もそうなのかもね」


そういえば聞いたことがなかったな、元々オタク文化が好きだったかと言われればそんな感じじゃなかったし。


「クレアさんは何か好きなの事無いの?」


「好きな事ですか」


頭を捻って少し考えこんでいたが。


「すみません、思い浮かばないです」


「思い浮かばないか」


別に悪い事では無いが、趣味で充実してる人間からすれば少し寂しいと思う。

いらないお節介かもしれないがつい言っていた。


「見つかればいいな、好きな事」


「そうですね」


少し寂しそうな顔を浮かべる。

そんな表情すらも映画のワンシーンのように感じてしまう。


「てかどうしてあんな黒いスーツ着た人に追いかけられる事になったか教えてくれない?」


「えーっと、元々日本には挨拶回りや、パーティーの出席の為にきていたんですけど

 嫌になっちゃって」

「一人の少女として普通に遊びたかったんです、立場を捨てて」


目を背けながら言う彼女に、僕は掛ける言葉が見つからなかった。


「これから行く当てとかあるの?」


「ありません」

「でも今日の一日だけでいいんです、そしたら私は元の生活に戻りますから」


ただ助けたいと思ったのか、それとも自分と似たような物を感じたか。

言葉は自然に出ていた。


「なら今日は最高の休日を案内するよ」


「でもこれ以上迷惑をかけるわけには」


「報酬は貰うんだからその分の仕事だよ」


ペラペラと安っぽい建前を並べる、数少ない俺の得意技だ。


「それに日本人としてここの良さを知って欲しいんだ、いやてか今日は付き合ってくれ行きたいところがあればそこも案内するよ!」

「こんな可愛い女の子と遊べる機会なんてそうないしね」


着替え終わったのか、春香が顔を出す。


「面倒くさい人でしょ、こうゆう格好つけたこと言わないと人助けも出来ないん

 だから」


「いつから聞いてた!?」


「付き合って下さい、ってとこから」


「最悪のタイミングで聞かれた!」


「たぶん断っても何かと理由をつけてついてこようとするし」


幼馴染には既に俺の行動パターンはお見通しのようだ。


「もっと私もクレアと話したいし、案内させてくれないかな」


「そうゆう事なら、お願いします」


「任せてくれ、一生の思い出に残るような日にしてみせる!」


「あんたに可愛い女の子二人のエスコート何て出来るの?」


「たくさんそうゆう経験はあるし、可愛い女の子は今回一人だから大丈夫」


「前半はゲームの話だし、後半は後で覚えておきなさい」


「ふふ、お二人とも仲いいんですね」


「昔からの付き合いだからね」


「取り敢えず行きましょうか、楽しい洋服選びが待ってるわ」


3人で横にならんで歩き始めた。

































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