宝生の樹

丸家れい

序章

　七彩煌めく宝は、めぐりて、人に与えし豊かさを。

　仁愛なる豊かさは、めぐりて、神に与えし幸福を。

　幸福は、めぐりて、天地を潤す唯一の宝にならん。

　天地には陰陽あり。

　陰陽めぐりて、新しき命の生まるるなり。

　虚心になりて、天地をまもりたまへ。

　天下に映れるは己の心なり。

　虚心になりて、天地をまもりたまへ。

　やむごとなきは己の魂なり。

【倭ノ国（わのこく）神話上巻　天地開闢の章　神託より】

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