第3話取材

我々は、投稿者である菜野花奈津美さんにアポを取った。

取材を申し込んだところ、三日後に父と一緒に現実超常ドキュメンタリー特派員製作委員会に来てくれることになった。

そして三日後の午前九時、スタッフルームに奈津美さんとその父・菜野花克樹なのばなかつきがやってきた。

ディレクターの椿とフリーレポーターの朝美が取材を担当した。まず奈津美さんに、当時子ども会で起きていたことについて質問した。

「子ども会ができたのは小三になった日の四月だったんだけど、もうその時から不気味な現象は起こっていたの。子ども会の建物はあたしや友だちも勉強会に利用していたんだけど、用を足しに部屋から出てまた戻ってきたら筆箱や消しゴムが机から落ちているなんてことが結構あったの。それに本棚から本が、突然ドサッって落ちたこともあるわ。しかも本棚のかなり上の方、小学生だとイスに乗らないと手がとどかないくらい高いところから。落ちた本が頭にぶつかった話しも聞いたことあるわ。」

「それ以外に不気味なことは?」

「後は勉強中に廊下を走る音が聞こえて、廊下を見るとだれもいない・・・。なので近所の怪談として知られていたのよ。」

「それではクリスマス会でのことについて、教えて下さい。」

「あの日は、みんなで楽しんでいたら突然停電になって、みんなざわついてあたしも不安になったの。その時、だれかが『キャー!』って叫んで声のする方を見たら・・・、目が真っ黒で服が黒くすす汚れている女の子と両親の姿が見えたの。しかもまるで一緒にパーティーに参加してたみたいに笑ってて、もう鳥肌が立って、パニックになって部屋から出ていったわ。」

やはり、子ども会に幽霊が現れるのは間違いないと、我々は確信した。

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