きょうもあしたもあさっても

このドアを出て行く貴方

その姿を見るのはこれが最後かもしれない


とてつもなく恐ろしいのは

このドアの外が僕には見えないから

“どうか無事に帰ってきて”

貴方がドアを開ける度に僕は恐怖に囚われる


朝、いつもの時間

貴方がなかなか起きてこない

ひょっとしたら息絶えているのかも

部屋へと行かない限りそれはわからない


だから僕は恐る恐る階段を上る

貴方がいなくなっているかもしれないから


家に帰ったら

家が火事になっているかもしれない


起きるのが怖くて眠れない

目覚めたら身体が動かなくなっているかもしれない

目覚めたら猫が死んでいるかもしれない

目覚めたら貴方が死んでいるかもしれない


昨日が最後かもしれない

明日はもう来ないかもしれない

明日はもういないかもしれない

今日はもうないかもしれない


君がいなくなると哀しい

あまりにも哀しい

でもいずれ必ずおしまいになる

早いか遅いかの違いだけで

今か今じゃないかの違いだけで


今日がこのまま終わるとは限らない

明日がまたやってくるとは限らない

明後日が同じように続くとは限らない


今日がこのまま終わるとは限らない

電話が鳴るかもしれない

ドアチャイムが鳴るかもしれない

今日をこのまま終えられるとは限らない


今日も明日も明後日も

どうかよろしくお願いします

今日も明日も明後日も


きょうもあしたもあさっても


今回は平気だった

でも次はどうなるかわからない

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