きょうもあしたもあさっても
このドアを出て行く貴方
その姿を見るのはこれが最後かもしれない
とてつもなく恐ろしいのは
このドアの外が僕には見えないから
“どうか無事に帰ってきて”
貴方がドアを開ける度に僕は恐怖に囚われる
朝、いつもの時間
貴方がなかなか起きてこない
ひょっとしたら息絶えているのかも
部屋へと行かない限りそれはわからない
だから僕は恐る恐る階段を上る
貴方がいなくなっているかもしれないから
家に帰ったら
家が火事になっているかもしれない
起きるのが怖くて眠れない
目覚めたら身体が動かなくなっているかもしれない
目覚めたら猫が死んでいるかもしれない
目覚めたら貴方が死んでいるかもしれない
昨日が最後かもしれない
明日はもう来ないかもしれない
明日はもういないかもしれない
今日はもうないかもしれない
君がいなくなると哀しい
あまりにも哀しい
でもいずれ必ずおしまいになる
早いか遅いかの違いだけで
今か今じゃないかの違いだけで
今日がこのまま終わるとは限らない
明日がまたやってくるとは限らない
明後日が同じように続くとは限らない
今日がこのまま終わるとは限らない
電話が鳴るかもしれない
ドアチャイムが鳴るかもしれない
今日をこのまま終えられるとは限らない
今日も明日も明後日も
どうかよろしくお願いします
今日も明日も明後日も
きょうもあしたもあさっても
今回は平気だった
でも次はどうなるかわからない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます