ポポポーポ・ポーポポ

 夜道を歩いていると、背後から声がした。


「ポポポポー」


 背中に嫌な汗が流れる。

 異形の存在から距離を取るべく、闇の中、駆け出す。


「やばい、やばいやばい!!」


 額に汗を滲ませ、迫りくる足音からひたすらに逃げる。


「これ、アレだ、八尺様だわ」


 ぽ、を連呼する時点で確認するまでもないが――

 一応、見てみようと一瞬だけ背後を振り返ると。


「……は?」


 視界に映ったのは、金髪ロン毛、グラサン、剛毛で、白いワンピースを着た長身のおっさん。


「ポポポーポ・ポーポポ」

「う、うわあああああ!!?」


 異様に長い鼻毛を振り回しながらすさまじい勢いで走ってくる……!!


 なんかこいつ、マンガやアニメで見かけたような……!!?

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