狭いワンルーム
大崎 音
彼女がいない部屋、ひとり
匂いがまだ残っている。
彼女が出ていってもう一週間が経った。僕はまだ彼女の残像を追っている。
君が嫌いだったタバコも気兼ねなく吸えるようになったし、狭いワンルームをひとりで快適に過ごせるようになった。ただ、僕は狭いワンルームでふたりが幸せだった。シングルベッドで狭いねーって言い合いながら寄り添って寝たり、ベランダでタバコを吸う僕を見ている君の顔を見たり、ドライヤーで君の髪を乾かしたりした日々。
そんな何気ない日常はもう戻ってこない。
当然だ。僕がその日常を壊したんだ。
あれからというもの、荒れ果てた生活を送っている。カップラーメンの山、ペットボトルとスナック菓子のゴミはそこら中に散乱している。
なんでゴミになるようなものはカタカナが多いんだろう。
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