魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺
荒木空
第一章:彼との馴れ初め
俺には親友が居る
読者様初めまして。荒木空(あらき から)と申します。
カクヨム様での処女作となる今作の応援のほどよろしくお願いいたします。
今作は出来は二の次、連載を途絶えさせず毎日更新することを目標にした作品となっています。そちらについても予め御了承ください。
● ● ● ● ●
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
タナバナタって世界のサクラ共和国、そこのサクラ国立学園に今年から通う俺サース・ハザードには親友がある意味2人居る。
1人は俺も当人も認める本当の親友。名前は無いけど俺はマー君って呼んでる。
マー君もマー君で俺のことはサー君って呼んでくれている。
唐突だが、マー君は人族じゃない。世間一般的に言えばマー君は魔王という存在だ。そうあの魔王。あの勇者と魔王の物語なんていう英雄譚に出て来たりするあの魔王。
でもマー君は物語の魔王と違って別に人類に侵攻を仕掛けたりだとか、人類の平和を脅かしたりだとか、そういう暴力的なことは一切してない。まぁ、配下の魔族の人達の中にはそういう血気盛んな人が居るし、中には理由も無く人類に対して良くない感情を持ってる人も居るけど、基本的にマー君を頂点とした今の魔界は人界に対してそれほど興味は無い。
そうそう、魔界だとか人界だとか、そういうのを説明するならこの世界の成り立ちから説明した方が早いかもしれない。
この世界には全部で4つの世界が在るなんて言われてる。
1つがベースとなる俺も住んでる人界。まぁ、説明の必要もなく、人類がメインで住んでる世界だ。
人類は全部で6種族居る。
人族、魔族、天族、竜人族、エルフ族、獣人族の6つだ。
ここに魔物って呼ばれる生物や普通の動物がこの人界で生活してる。この人界が1番色んな種族が居て、1番広いって言われてる。
人界には全部で3つの国が存在してる。『世界』なのに国が3つしかないのはおかしい、なんてこれだけだとそう思うかもしれないが、これにはちゃんとした理由が有る。ちゃんと取り敢えず最後まで読んでくれ。
この世界は今現在国が3つしかない。その理由は単純で、人の住める土地が国3つ分しか無いからだ。大陸中央を人族を中心とした獣人族やエルフ族が主に暮らしてる。そのそれぞれが国を興してると考えれば想像つきやすいと思う。
戦うことこそ至高!闘争こそ生物の本能!それは即ち己が肉体で行うことこそ自然の摂理!故に者共、その身を以て己の覇道を示すのだ!!って脳筋思考の肉体を使った戦い方を好む強さこそ至高な国【マハラ帝国】。このマハラ帝国には獣人族が多い。皇族も確か獣人族の人達だった筈だ。
体を動かし敵を屠るなど邪道にして力を持たぬ弱者の諸行。そんな物は我々には相応しくない。我々は能ある者。故に智を以て他を征す。魔法に愛された我々こそが至高の存在也!!ってマハラ帝国とは逆の意味での脳筋なのが【アカバ王国】。この国は魔法をメインにしていてエルフが多い。王族も確かエルフだった筈。でもコイツ等、正直本当にエルフなのかが怪しい。理由を後程。
そんで、体を動かすのも魔法を扱うのも全てはその人の技量次第。そしてそれより大切なのは隣人との協力で生まれる力。共和性こそが最も発展するに於いて重要。故に私達は共に歩むことを望みます。って宗教みたいな思想で、でも1番バランスの良い国なのが【サクラ共和国】。この国は俺も住んでる国で、獣人族も居るしエルフ族も居るし、もちろん人族も居る。他にも魔族や天族や竜人族もこの国には居る。この国は他2つの国と違って皇族や王族みたいな一族は居ない。居るのは帝って呼ばれてるサクラ共和国で強い人達が国を運営してる。
帝って言うのは、この世界には主に魔物を倒す職業で冒険者ギルドって組織が有るんだけど、その冒険者ギルドにはランクって言う強さや信頼度を表したような制度が有る。その制度は全部で9段階有って、その頂点はSSSランクって言うんだけど、その人達が政を回してる。まぁつまり、共和国って言うのは冒険者の国って言っても良いかもしれない。代表はそのSSSランク達の頂点である総てを統べた帝って意味の総帝って人が代表。この総帝は他の政に関わってるSSSの帝達の中で1番強い人が選ばれる。要するにサクラ共和国最強ってこと。
とまぁ、そんな国々が大陸の中央に在って、その他の場所は全部魔物達の住み処って訳だ。ただ中には竜人族や魔族、天族がどっかに集落を作って暮らしてる的なことを聞いたことがある。本当かどうかはわかんないけどな。
この世界に生きる人類は、大陸の形を調べる為に大陸を踏破することは出来るけど、そこから発展するためにはどうしても力が足りない。だから魔物達の空白地帯である大陸中央に国を作って暮らしてる。
さて、長々と人界とそこに在る国について語ったけど、これはあくまで国の話。ここからがマー君達魔族の住む魔界や天族の住む天界、それにエルフ達の隠れ里であるエルフの郷なんていう世界が在る。世界というか、別空間って言った方が良いのかもしれないけど。
まずは魔界。この魔界には魔族しか居ない。魔物も居るけど、食物連鎖の頂点は魔王であるマー君で、マー君の下は魔族だ。
でも魔界の魔物は人界の魔物より数段強い。で、たまに人界と魔界を繋ぐ穴が開くんだけど、ここを通って現れた魔物に国が襲われて国規模の被害が出たりする。
魔界の魔物の襲撃だから、魔界の王たるマー君が諸悪の根元的なことを言われがちだけど、彼等の人柄を知る俺からすれば、それはただの人界側のエゴと被害妄想だと言わざるを得ない。
次に天界。ここは所謂神の御わす所というヤツで、神の遣いである天使なんかが天族って言われてる。
ここは特に話すことは無い。ここは人界魔界天界エルフの郷全ての世界を管理するための場所って認識で大丈夫だ。所謂お役所というヤツだな。
そしてエルフの郷。ここがさっき言ったアカバ王国のエルフ達が本当にエルフなのかって所に繋がるんだけど、そもそも魔界天界エルフの郷には人界の人間は行けないんだ。
それぞれの世界に行こうと思えば、それぞれの世界の住人特有の属性を持ってないと行けない。
この住人特有の属性って言うのは魔法の属性のことで、例えば魔界の住人なら闇属性。例えば天界の住人なら光属性。例えばエルフの郷の住人なら木属性を持っている。
魔法の属性っていうのは全部で9個有る。多いよな。
基本属性の火・水・土・風。魔族専用の闇。天族専用の光。エルフ族専用の木。特殊枠として創造や破壊なんてのが有る。まぁ特殊枠はそもそも存在しないのと同義だから無いものと考えて良い。そういう属性が有るよって言い伝えられてるだけだから。
転移って魔法が有る。これは行ったことのある場所に距離と転移させたいものの質量に応じた魔力を消費することで移動することができる魔法だ。
この魔法は基本的に同じ世界に行くことしか出来ないし、そもそもまずこの魔法に属性付与なんて絶対出来ない。
でも、とある条件をクリアすれば、それぞれの世界に行くことが出来るようになる。
その条件っていうのが、世界の住人と本当の意味で仲良くなること。
要するに、親友なり恋人なり夫婦なりになれば、例えば魔界出身の魔族と結ばれれば魔界へ。例えば天界出身の天族と結ばれれば天界へ。エルフの郷出身のエルフと結ばれればエルフの郷へ。それぞれに対応した属性を手に入れることが出来、その属性を転移に入れ込めばそれぞれの世界へ転移出来るし、それぞれの世界へ転移したあと基本属性を付与した転移をすれば人界へ帰ってこれる。
で、何を以てそれほどの仲になったかって証明するかと言うと、指輪だ。天界かはたまた天界に御わす神以上の存在かがその仲を認めれば、その絆が指輪という形で結晶となって現れる。この指輪は当人達が互いが大切だと認識していれば消えることはなく、例え紛失してしまっても念じればすぐに戻って来るというトンデモ指輪だ。他人がその指輪を奪うことも出来ない。仮に指輪が消えれば、その仲は既に一方通行か両方冷めてるかの証明になる。
この性質からエンゲージリングなんて呼ばれ方をする時も有るけど、これが同性同士でも起こりうることだから個人的にはエンゲージリングって呼び名はやめて欲しいなと思う。
で、話は少し戻るけど、アカバ王国の時に言ったが、あの国のエルフはみんな木属性の魔法を使えない。つまりエルフかどうかは怪しいって訳だ。魔族や天族であれば基本誰でも対応した属性が使えてるし、やっぱりアイツ等はエルフじゃないのかもしれない。
さて、今度こそ話を本筋に戻そう。
そう、つまり俺とマー君、真の親友なのだ。だから俺は人族であるにも関わらず闇属性が使える。マー君と親友だから、魔界にも行ける。
これは誰がなんと言おうとこの事実だけはひっくり返らない。
俺とマー君は、正しく親友だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます