第6話 もう一人の仲間
どうも、小さいおじさんです。
今日は私のもう一人の仲間を紹介します。
なんというか、彼は少し変わっていまして。
以前に説明した通り私たちの姿や形はその土地の人間の想像によって決まります。
人間の事に詳しい仲間が言うには彼は昔の人間の侍たちが着ていた裃(かみしも)という服を着ています。
彼と出会ったのは私がとある地方の川沿いの土手を歩いていた時の事。
その日は暖かい日差しが心地よく浮かれており前方に草に擬態したカマキリがいる事に気づいていませんでした。
そして気づかずに歩き続ける私にカマキリがその両手の鎌で襲いかかってきたのです。
「ひいっ!うわっ!はっ!よっ!ほっ!ほいさっ!」
私が悲鳴を上げながら必死にその鎌を躱して逃げていると何処からともなく彼は現れました。
「むむっ!ややっ!」
彼は腰に携えた刀を抜きカマキリの鎌から私を庇ってくれたのです。
「……あっありがとう、助かった!」
そのままカマキリとつば迫り合いをする彼の後ろで私は腰を抜かしながらお礼を言うのがやっとでした。
「お気に召されるな」
そう言うと彼はつばぜり合いでカマキリを押し切り見事に追いやってくれました。
その事があって以来、彼に会うと私は彼が好きだという彼の地元の特産の苺をご馳走する事にしています。
今回もとある芸能人の目撃情報を元に話を作りましたが事情によりその様子を話に使うのは止めました。
まあ、わかる人にはわかると思いますが……。
気を使い過ぎかもしれませんが最近は些細な事でも過剰に反応されるので
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます