第6話 【詩】ぼくはそれをしらない
君はぼくとあいつが似ているといった
ぼくはあいつをしらない
君はぼくがしたことをだれかのまねだといった
ぼくはそのだれかをしらない
あなたはぼくを父とそっくりだといった
ぼくは父をしらない
あなたはいった 昔はこんなひどい戦争があった
ぼくは戦争をしらない
あの人はみんなにきらわれているという
ぼくはなぜきらわれるのかしらない
ぼくはそれをしらない
しりたいともおもわない
みんななぜしりたがるの
そんなにしりたいの
しってることばかりだとつまんないだろ
しりたくないことが山ほどある
しってることだって山ほどある
それでいい それでいい
だから ぼくはそれをしらない
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