35話

後日談。

 あれから、烏丸が変わった。

 劇的ビフォーアフターかよってくらいに。

「白鳥さん白鳥さん、今日も綺麗だね。あのさ、今から散歩行かない、二人で? ああ、これはデートになっちゃうよね」

 烏丸は白鳥にべっとりなのだ。

「あのさあ、文化祭の劇だけど。白鳥さんはどんなのがいいと思う?」

「宇宙帝国の話でいいんじゃない?」

 適当だな。

「そうだね、よし、それにしよう」

 それにすんな。

「白鳥さん白鳥さん。文化祭終わった後に、生徒会の後期役員選挙があるじゃない。あれ、僕、ついに会長に立候補しようと思うんだよね。で、どんな演説がいいと思う?」

「『この学校は俺様のものだ!』みたいな感じでいいんじゃない?」

「よし、いいね。それでいこう」

 それでいくな。


「散歩にでも出ましょうか? 暑いけど」

「二人で?」

「四人で」

 外は暑い。

 烏丸が眩しそうに空を見上げる。


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