第2ラウンド
アモン「冒険者のくせに……」
カズヤ「こう見えてもAランクだからなめんなよ」
アモン「なるほど。骨があるわけだ」
アモンは剣を構えると納得したように言った
もうAランクだからな。ちょっとのことでは負けられない
それにAランクだから
アモン「なら、加減は無しだ」
ナリア「何か加減してたの?」
アモン「8割の力で倒せると思っていたが、
頭悪いなぁ。何が12割だよ。普通10割だろ
こいつ現実世界で相当馬鹿だったんじゃないのか
割合を知らないからな
ナリア「馬鹿ね……」
カズヤ「割合を知らねぇのか。10が最大だ」
アモン「うるさい!!
カズヤ「こいつめちゃくちゃだ!!」
ナリアと俺が一斉に責めるとアモンは自暴自棄になったように魔法を唱えた
魔法によりアモンの持っている剣が赤黒い炎で包まれていく
こいつめちゃくちゃだな。自分で間違えておいて自暴自棄になるのかよ
逆になんで12が最大だと思ったんだよ
あの剣禍々しいな……あの剣の攻撃を喰らったらヤバいな
あの剣には最大限の警戒をしておこう
ロイス「おいおい……怒らせたんじゃないのか?」
カズヤ「俺らは悪くないよ。
ナリア「自分で地雷を仕掛けて自分で踏み抜いたのよ」
ケール「そうなの?」
カズヤ・ナリア「「うん」」
俺らは悪くない。絶っ対に悪くない
10:0で
ロイスとケールに疑われてたんだが
会話の流れで分かるでしょ。もしかして、会話の内容分かってない?
アモン「あぁぁぁぁ!!うるせぇな!!
ロイス「来るぞ!」
カズヤ「避けろ!!」
アモンが怒りをぶちまけるように魔法を唱える
魔法で剣に纏わっていた赤黒い炎が伸びていき、環を構築する
赤黒い炎で出来た環は禍々しかった。環が天に向かっていき電線くらいの高さまで上がると爆発して赤黒い火花を辺りに散らす
俺の掛け声で全員が回避出来た。火花が地面に当たるとシュンという音を立てて消えたが地面に火が移っている
まだ燃えてるのか。更地だから良かったけど、草原でやったら焼け野原になるな
逆に何も無くて良かった
ナリア「危ない……」
ケール「当たったらどうなってたんだろう……」
カズヤ「大怪我してるよ。あの剣と赤黒い炎には当たらないようにしよう」
あの剣はヤバい
剣と炎に当たったら致命傷だな
でも、回避に気を取られすぎて何も出来ないことがないようにしないとな
アモン「火魔法・
ケール「また⁉」
カズヤ「
アモンはすぐに次の攻撃をしてきたがこの魔法は収納してしまえばいいだけの話
学習能力がないな。サルの方が賢いんじゃないのか
でも、焦ってる様子が見えない。何かの作戦か?
いや、割合分かってないから作戦を立てられるわけがないか
ナリア「あんた頭おかしいの?」
アモン「お前らのその慢心が死に繋がる」
カズヤ「ブーメランだ」
特大ブーメラン投げてる
自分で気づいてないのか?
アモン「火魔法・
ロイス「防術魔法・
アモンが禍々しい剣を片手に突っ込んできたがロイスが前に出て防いでくれた
剣と盾がぶつかった瞬間、火花が散り金属のこすれる大きな音が鳴った
アモンとロイスの力は互角でガチャガチャと金属の音が鳴り響く
ロイス「おらぁぁぁ!!」
アモン「⁉」
ロイスが雄叫びを上げるとアモンの剣を薙ぎ払った
反応出来なかったアモンの胴体がガラ空きとなる
ケール「体術強化・剣術強化・
アモン「ウッ!!?」
カズヤ「
アモンのガラ空きとなった胴体にケールの攻撃が入る
アモンは防御出来ずふっとばされる。俺はふっとばされ何も出来ない間に先程収納したアモンの魔法を出力する
空中で攻撃を避けれるはずがない。これで終わりだ
慢心してたのはお前の方だ。やっぱりブーメランだったな
アモン「
カズヤ「嘘だろ!!?」
ナリア「収納魔法!!?」
アモンはふっとばされながら俺の出力した火炎放射を収納した
あいつも収納魔法を使えたのか!!?
あの剣も収納魔法で出したのか!!盲点だった
アモンは魔法を収納するとニヤリと不敵に笑った
アモン「
カズヤ「来る!!避けて!!」
アモンは空中で1回転して瓦礫に足を着いて着地すると勢いを殺さずに瓦礫をトランポリンのように扱ってこちらに向かってくる
アモンはこちらに向かってきながら先程収納した火炎放射を出力してくる
反射してきやがった!!モ○ストかよ!!(※引っ張るゲーム)
しかも、さっきの魔法撃ってきやがった!!
アモン「火魔法・
カズヤ「グハッ……!!!!」
ナリア「カズヤ!!!!」
俺の掛け声で火炎放射は全員回避出来た
だが、火炎放射に気を取られアモンを見ていなかった
前を見た時にはアモンは俺のすぐ前にいて不敵に笑っていた
とっさに手を出して防御しようとしたが間に合わずアモンの剣が俺の胴体を切り裂いた
食道を赤い液体が逆流してきて口から吹き出た
傷口からは血がポタポタと落ちて地面に血溜まりを作っている
傷口が熱い……熱で出血が止まってるわけではない
このままだと出血死する……
ロイス「大丈夫か⁉」
カズヤ「大丈…夫……」
ケール「大丈夫じゃないって!!」
ナリア「休んでないさいよ!!」
みんなが慌てて俺の元へ駆け寄ってきた
こんなところでくたばるわけにはいかない
俺は傷口を抑えながら気色悪い笑みを浮かべているアモンを睨む
アモン「だから言っただろ?慢心が死に繋がるって」
カズヤ「確かにな……でも…それはお前も同じことだ……」
アモン「そんな体で言われても説得力ねぇよ」
ロイス「カズヤ、無理すんな!!」
絶対に
こんなところで負けてたらクラスメートなんて救えるわけが無い!!
アモン「火魔法・
カズヤ「水魔法・
アモンの剣に纏わっている赤黒い炎が獅子へと姿を変えながらカズヤに突進していく
カズヤが魔法を唱えると構成された魔法陣から水の渦が現れ、渦の中心から水で形づくられた龍が現れ口を大きく開きながら獅子に向かっていく
アモン「焼かれて死ね!!」
カズヤ「お前…なんかに…負けてられるか!!」
お互いの雄叫びが上がった瞬間、獅子と龍が衝突し大きな衝撃音が辺りに響く
獅子の炎が龍の水を焼き尽くし、龍は消滅した。獅子はそのまま俺に突っ込んでくる
クソッ……!!!!ここで死ぬのか!!?
俺は何も出来てないじゃないか!!!!!!
こんなやつに……
あ、神のペットを呼び出せるんだった。それ使えばいいや
でも、間に合うか!?イチかバチかだ!!
カズヤ「えっーと、もう適当でいいや!!いけ、ポンちゃん!!」
ポンちゃん「神格魔法・
最初に目に入ったペットを適当に呼び出した
出てきたのは狐の姿をしたポンちゃん。本当に気まぐれで名前つけてるな
ポンちゃんは獅子がすぐそこまで来ているというのに焦ることなく魔法を唱えた
ポンちゃんの口先に構築された魔法陣から竜巻かと思うほどの暴風が吹き荒れた
暴風により獅子を構成していた炎は吹き飛び獅子は姿を消した
アモン「嘘だろ!!?何が起きたんだ!!!!!!」
アモンは突如吹いた暴風に顔を手で覆った。風が止み頭を上げると眼の前には俺を焼き尽くす予定だった獅子は消え、代わりに狐が座っている
チートってありがてぇー!!!!!
神様ありがとうございまーす!!!!
ポンちゃん「まだやんないとダメ?」
カズヤ「お願いします」
ポンちゃん「神格魔法・
アモン「ウガァッッ!!!!!!」
ポンちゃんが振り返ってめんどくさそうに言ってくるので俺は頭を下げてお願いした
ポンちゃんはため息をつくと前を向き再び魔法を唱えた
魔法陣から眩しい光が光速でアモンに向かっていき、アモンは防御をする時間もなく光に吹き飛ばされた
アモンが吹き飛ばされ瓦礫に体を叩きつける
これは効いただろ。ポン様ありがとうございます
ポンちゃん「考えて呼べや」
カズヤ「次回気をつけます」
ポンちゃんはそう吐き捨てると消えた
怒ってたな。次はちゃんと考えて選ぼう
カンちゃん「お前頭良い。我が力を使うこと無かった」
カズヤ「でしょーいつまでもカンちゃんの力に頼ってばっかじゃダメだと思うんだよね」
カンちゃん「でも、神のペットは使ってる」
カズヤ「ウッ……」
ナリアの肩に乗っていたカンちゃんが俺の肩に乗ってくる
それは言い返せない……
カンちゃんじゃない神のペット使ったのは事実だしな
ナリア「また呼び出したの?」
ロイス「あんな化け物使えるとか神様みてぇだな」
カズヤ「おかげで死なずに済んだし、アモンにも良いダメージが入った。叩くなら今だ」
アモンは瓦礫から体を起こして俺を睨んでくる
陰湿な感じ怖っ……(お前が言うな)
相当怒ってるな。でも、怒りでどうにか出来るほど体の自由は効かないだろ
アモン「今のはなんだ……!?」
カズヤ「知る必要はねぇよ」
アモン「そうか。お前らと戦ってると調子が狂う。もう終いにしてやる……!!」
カズヤ「それはこっちのセリフだ。いつまでも攻撃しやがって」
俺たちもアモンと戦ってると調子が狂う
早いところ、こんな戦い終わらせたい
カンちゃん「カーカー」
アモン「あ?てめぇ煽ってんのか?」
カンちゃんが俺の肩から飛び立ちアモンの周りを飛んで鳴き始める
煽ってるようにしか見えないな。お前は急に何をしてんだ
カンちゃん「カーカー」
アモン「うぜぇな。火魔法・
アモンがカンちゃんに向かって火炎放射を発射した
あぁーあ。やっちゃった
カンちゃん「うるさい。サル。神格魔法・
アモン「ウグッ……!!!!クソが!!」
カンちゃんは火炎放射にビビることなく魔法を唱える
カンちゃんのくちばしから大口径の銃弾が発射され火炎放射を貫いて消し去った
銃弾はアモンの右肩を貫いた。アモンは痛みで剣を落とす
今がチャンスだ!!!!
カズヤ「今だ!!」
アモン「クソ!!火魔法・
カズヤ「光魔法・
アモンは焦ったように魔法を唱える。アモンの前に火の糸で出来た蜘蛛の巣が張り巡らされる
だが、それはすでに破っている。焦って自分のことを守ることしか考えられなかったのだろう
その先まで考えられなかった。慢心が死に繋がるはブーメランだったな
ケール「体術強化・剣術強化・
ナリア「火魔法・
アモン「何ッ!!!!」
カズヤ「終わりだ!!体術強化・光魔法・
アモンの前に張り巡られた糸がケールとナリアの攻撃により破られる
俺は右の拳に光の槍を纏わせジャンプをして大きく振りかぶる
ガラ空きとなったアモンの心臓へピンポイントに槍を突き刺す
アモンの心臓に突き刺した瞬間、血が噴水のように吹き出した
返り血を浴びたがそんなのは気にしない
ナリア「やったわね!!」
ケール「勝ったぁ……」
ロイス「ふぅー疲れたな」
カズヤ・ナリア・ケール「「「ロイス、何もしてないじゃん」」」
ロイス「何もしてないわけ無いだろ!!ガードしただろうが!!」
ナリア「そういえばそんなことしてたわね」
ケール「言われてみればだね」
カズヤ「確かに」
激闘すぎてロイスの活躍、記憶から消えてたな
みんなで掴み取った勝利だ
誰か1人かけていれば勝ててはいなかった
少しは勝利の余韻に浸っていたい
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