玉ねぎ

 神様、お願いです。

 どうか教えて欲しいのです。


 私自身のことではありながら、私自身全く分からないのです。


 私は、どこまでが皮なのでしょうか?


 外側の茶色は、これはもう明らかに皮です。

 そこに異存はございません。


 問題はこの下のツルツルです。

 白いのに、食べるには少ししわい、この部分です。


 この部分が微妙である為に、多くの人間が……特に子供や料理に慣れない人々が終わらない皮むきを強いられているのです。


 私はこれ以上、小さくなっていく仲間たちを見ていたくはありません。


 どうか、私の願いを聞き届けてくださいますよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る