第1章 クエスト:凍結事件の黒幕を探せ

 せん天孔てんこう隊は、マギアシティへとやって来る。

かつてマギアシティでは、前社長が暗魔あんまに代わる新たな敵として暗機あんきを定着させようとした。しかし千達は前社長の野望を食い止めた。

マギアは社長が代わり、生まれ変わった。具体的には暗機の製造や同意を得ていない人への人体実験は禁止になった。純粋に暗魔に対抗する装備や知識を提供する組織になったのだ。

マギアシティが世界の中心に向かおうとしていたのを、千達は食い止めた。そのため今はマギアシティは陸上にとどまっている。


今回千達が呼ばれたのは、新しい魔機まきのテストと魔機使いのデータ収集の為。あるゲームをプレイし、そこに現れる暗魔を倒す。それによってデータが取れる。

ゲームの名前はキャピタル。

キャピタルはキャンバスの応用で作られた。その為キャピタルに入る事ができる。キャピタル内でいつも通り戦う事で、データが取れるという。


最初は天孔隊のデータを取る。

ゲームという事で、クエストが用意されている。クエストをクリアする頃には、天孔隊のデータが取れていると。

クエスト名は「凍結事件の黒幕を探せ」。

キャピタルの各地を氷漬けにした黒幕を捜して欲しいと。

ログインする前に、千には魔機の提出が求められる。千の魔機をキャピタルに実装する為に解析すると。

千は魔機を具現化し渡す。そして千とりんがログインする。


 千達がログインしたのは、広い草原だ。色々な所に大きな氷が刺さっている。

ログインしてすぐに、妖精型のメカに会う。メカの名はナビ。キャピタル内はナビがサポートすると。

ナビは琳にテストする魔機を渡す。魔機は、つららの魔機。つららの魔機は、つららをモチーフとした槍である。

琳はいつもは王の剣を使っている。しかしどんな武器種の魔機も使えるように特訓してきたと。そして暗魔は撤退したが、何十年後にまたやってくる。腕がなまらないよう、特訓できる施設はいいと言う。


向こうから、牡牛座の暗魔が突進してくる。氷があっても、氷を壊して突進してくる。千達はよける。

千は魔機を具現化する。すると、千がいつも使っている本の魔機が具現化される。

ナビは説明する。千の魔機は登録された魔機を全て使える。しかし、まだ一部の魔機しか使えない。登録されている全ての魔機を使えるように順次アップデートしていくと。

牡牛座の暗魔はまた突進してくる。千達はよけ、後ろを攻撃する。


ナビによれば、つららの魔機は変形する。

琳は変形を試す。つららの魔機は変形し、狙撃銃になる。

琳は木にのぼり、狙撃銃を構える。そして、突進してくる牡牛座の暗魔の頭を撃ち抜く。

千達は、牡牛座の暗魔を倒す。

氷は解けない。牡牛座の暗魔は、凍結事件の黒幕ではなかった。


 ナビは、琳とつららの魔機のデータは取れたという。琳はナビにつららの魔機を渡す。

琳がログアウトし、代わりに晴人はるとがログインする。

ナビは晴人に曇りの魔機を渡す。曇りの魔機は雲をモチーフとしたハンマーである。

晴人は、街へと向かう。


街には所々凍った部分がある。それでも、住民は変わらず生活している。

街の屋台では、食べ物が売られている。現実にある食べ物から、薬草や魔物の肉が売られている。晴人は食材を買う。

データ収集が終わっても、キャピタルでは遊ぶことができる。晴人はキャピタル内で料理を作り、皆に振る舞いたいという。

街で騒ぎが起きている場所がある。千達は向かう。


千達が向かった先には、双子座の暗魔がいた。

双子座の暗魔は、人型の暗魔2体で構成されている。

双子座の暗魔は腕を振り、魔波を飛ばす。晴人は雲を作る。雲は魔波を通さない。

雲を足場にして、晴人は跳ぶ。そして頭を叩き、双子座の暗魔の片方を倒す。

すると残っているもう片方が、片方を生み出す。双子座の暗魔は2体とも同時に倒さなければならない。

千と晴人は協力し、1体ずつ攻撃する。そして双子座の暗魔を倒す。

氷は解けない。双子座の暗魔も、凍結事件の犯人ではなかった。


 晴人と曇りの魔機のデータ収集が終わる。晴人は曇りの魔機をナビに渡す。

晴人がログアウトし、代わりに七彩ななせがログインする。

ナビは七彩に砂嵐の魔機を渡す。砂嵐の魔機は、砂嵐をモチーフとした扇である。

七彩は、街並みを写真に撮る。街は写真に写っている。

ナビは説明する。キャピタルでは撮影する事ができる。そして撮った写真を現実世界に送る事ができると。


千達の前に、天秤座の暗魔が現れる。

天秤座の暗魔は七彩をジャッジする。七彩は正義だが、嫌いな物から逃げていると。

七彩は別れなど悲しい物が嫌い。だから楽しい瞬間を写真に収め、いつまでも楽しくいると。

七彩は砂の魔波を飛ばすが、天秤座の暗魔は防ぐ。そして2つの天秤の皿を投げて攻撃する。七彩は攻撃を受けて、やられる。七彩は消滅し、持っていた砂嵐の魔機が飛び散る。

千に七彩から通信が入る。七彩は特に影響がない。しかし再ログインには時間がかかるという。

ナビは説明する。キャピタルでやられても、現実世界には影響がない。なので安心してプレイして欲しいという。

七彩は助っ人を頼むという。そうして、絢華あやかがログインした。

絢華は砂嵐の魔機を拾い、天秤座の魔機と戦う。

天秤座の暗魔は絢華をジャッジし、絢華は悪だという。絢華は自分の望みの為に魔機使いから魔機を奪った。

絢華は耳を貸さず、砂嵐を起こす。天秤座の暗魔は前が見えなくなり、絢華を見失う。

そして絢華は竜巻を起こし、天秤座の暗魔を巻き上げる。天秤座の暗魔は消滅する。

氷は解けない。黒幕は天秤座の暗魔でもないようだ。


 絢華と砂嵐の魔機のデータが取れた。

絢華はナビに砂嵐の魔機を渡す。

絢華がログアウトし、代わりに英機ひできがログインした。

ナビは、もうテストする魔機は無いという。しかし、魔機使い本人のデータ収集が残っている。

ナビは雨の魔機を英機に渡す。雨の魔機は、雨をモチーフとしたガトリング砲だ。

雨の魔機は、初代天孔隊が使っていた魔機だ。英機にとっては、上司にあたる。

英機は、元々開発部隊に所属していた。そこの隊長は初代天孔隊の1人であり、雨の魔機を使っていた。

英機は開発部隊の隊員として、仲間と共に新しい魔機のテストをしていた。しかしある時、テストに失敗し、仲間が暗魔になってしまった。英機は深く悲しんだ。そこから英機は仲間を暗魔にさせない為に、開発部隊から派遣部隊へと入った。そうして天孔市へと派遣されたのだ。


千達の前に、蠍座の暗魔が現れる。

蠍座の暗魔は手下として小さな蠍座の暗魔らを召喚する。

英機は雨の魔機を撃ち、手下を一掃する。

英機は思い出す。雨の魔機は、細剣にも変形した。英機は雨の魔機を細剣へと変形させる。

蠍座の暗魔は尻尾を使う。そして英機と打ち合いになる。

英機が打ち合いを制し、蠍座の暗魔を倒す。

氷は解けない。凍結事件の黒幕は蠍座の暗魔でもないようだ。


 英機のデータ収集が終わる。英機はナビに雨の魔機を渡す。

英機がログアウトし、代わりにのぞみがログインする。

望はナビから嵐の魔機を渡される。嵐の魔機は、嵐をモチーフとした大剣だ。

嵐の魔機も、初代天孔隊が使っていたもの。そして現派遣部隊隊長が使っている魔機。

千達は雪原へと飛ばされる。そこには獅子座の暗魔がいた。

獅子座の暗魔は冷たい息を吐き、氷を作り出す。獅子座の暗魔が、凍結事件の黒幕だった。

かつて望は、初代天孔隊として獅子座の暗魔と戦った事がある。それは獅子座の暗魔も同じで、獅子座の暗魔は望を見知った顔だという。そして天孔隊に倒された。今再び望を倒し、王の剣を手に入れると。

千達は、獅子座の暗魔と戦う。


千は魔波で攻撃する。しかし、獅子座の暗魔には効かない。望も魔波で攻撃するも、効いてない。

望は風と水の魔波を同時に放つも、獅子座の暗魔には効かない。

望は獅子座の暗魔の倒し方を思い出す。獅子座の暗魔は、1つの攻撃に耐性を持っている。すなわち物理攻撃と魔法を同時に当てなければならない。

望は千にその事を説明し、千は魔波で、望は斬って攻撃する。

千達は獅子座の暗魔を倒す。

氷が解け始める。そして、ナビがクエストクリアと叫ぶ。

千達は凍結事件の犯人を倒したのだ。


 天孔隊のデータが取り終わる。千達は、キャピタルの内容に満足している。

しかし望には気がかりな事があるという。現れた暗魔は全て、今の天孔隊で戦ったことが無い暗魔だった。そして、獅子座の暗魔に至っては、望のことを知っていた。

本当にマギアを、キャピタルを信頼して良いのだろうか。

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