手札が多すぎる
エレノアと天魔くんちゃんによる連射対決はエレノアが勝利し、完敗してしまった天魔くんちゃんはガックシと項垂れてしまったりとかもありつつ。
俺達の修行は、比較的順調に進んで行った。
睡眠時間も平均して4時間30分となり、一度起こされるまでにかなり纏まった睡眠が取れるようになっている。
でも一度起こされちゃって、もう一度寝るのに時間がかかるから寝不足になっちゃうんだけどね。
眠いなーと思いつつ、観音ちゃんに狩りをしてもらう毎日。
更に1週間ほど経った頃には、またひとつレベルが上がり394レベルに到達していた。
南側の大地の殲滅とダンジョンから湧き出る魔物の殲滅。これらを合わせれば、1週間ほどでレベルが上がるんやな。
ここから更に下の階層でレベリング出来れば、更に経験値が貰える。今は頑張る時間だ。
「........(ん、主人、南側の大地の殲滅が終わったって)」
「おー、思ってたより早かったな。西の大地で色々と試してから、効率が良くなったのかな?」
「あら、もう終わったの?早いわね」
今日も今日とて心理顕現。脳死で心理顕現を繰り返し、観音ちゃんを暴れさせていると、目覚まし役の天魔くんちゃんが報告を入れてくる。
どうやら南の大地は滅びたらしい。
西の大地を滅ぼしていた時は結構時間がかかって居たが、やはりある程度慣れていたのか公立的な殲滅の仕方を考えついたのだろう。
凄いぞ天魔くんちゃん。流石だぞ。
「ならダンジョンに呼び出しちゃうか。天魔くんちゃん達だけで
「微妙なところかしらね?火力が足りていれば倒せるかしら?」
「素早さ的には天魔くんちゃんの方が圧倒的だから、捕まることは無いと思うけど、あの化け物もイカれた硬さをしているからな........こればかりはやってみないと分からないかも」
南の殲滅が終わったのであれば、次にやるのはダンジョンでの放置狩り。
最初から破滅級魔物が出てきてくれる素晴らしいダンジョンこと、特殊個体ダンジョンで放置狩りしない理由がないのだ。
しかし、問題が1つ。
天魔くんちゃん達であの化け物じみた怪物を倒せるのか、という問題である。
ティノルスでありながら、その体の大きさは凄まじくそしてその体には歴戦の跡が残る偉大なる戦士。
経験値の為だけに狩りをしている俺達ですら、敬意を払いたくなるほどに勇ましくそして勇敢な魔物。
その強さは師匠やウルと言った元人間と悪魔を除けば最強であり、ほかの絶望級魔物とは一線を画す程に強い存在なのだ。
そんな相手に天魔くんちゃんが勝てるのか?もっと言えば、天魔くんちゃんに搭載されている魔術だけで何とかなるのか?という問題がある。
「第十級魔術を組み込めば行けるかな?ちょっと使える魔術を考えた方がいいかもしれんな」
「その方がいいと思うわよ。天魔くんちゃんの強みの一つとして、相手に合わせた魔術構成を取ることができるという点もあるんだから」
「天魔くんちゃんは元々ありとあやゆる魔物を狩れるように作ってるからね。そこら辺の小回りが利かないと困るんだよ........ところでさ、傷だらけの王者ってどの系統の魔術に弱かったっけ?」
「........全部に耐性がありそうね。あ、ジークの使うあれはどうなの?」
「アレ?」
俺は首を傾げ、エレノアがその魔術を口にする。
それは、俺が完全に見落としていた盲点であった。
あー........確かしあれを使えば勝てるじゃん。発動させるのに時間が掛かるから実践ではあまり使えない魔術だなとか思ってたし、普通に避けられる可能性もあるけど、傷だらけの王者は足が遅い。
いや、正確には足も早いのだが、俺たち基準からしたら足は遅めな部類だ。
天魔くんちゃん達が色々と準備できるだけの猶予はあるし、天魔くんちゃん達は巻き込まれても平然と出来る。
「エレノア、もしかして天才か?」
「ふふん。もっと褒めてもいいのよ?」
もっと早くに気がつくべきだったな。俺はそう思いながら、天魔くんちゃんの使える魔術を書き換えるのであった。
第十級魔術を使わせる都合上、ほかの第九級魔術とかの大半は使えなくなっちゃうな。リソース的な問題で。
でも、狩れればいいのでOKです。
【十六連射】
某名人の必殺技。16連打とも。ゲーム機において、ボタンを1秒間に16回押すこと。
ちなみに、この16連射は当初は正確に計測したわけではなく、「まあこれぐらいでしょ」という事で言い出したものらしいが、後に映像から計測した際には10秒間で174発の弾を発射していた、つまり全盛期は17連射/秒を越えていたらしい。
平均して0.0625秒に1回ボタンを押している計算になるんだとか。
天魔くんちゃんのに魔術を組み込む作業は、なんと丸2日もかかってしまった。
現在、天魔くんちゃんに搭載されている魔術はすべて第九級魔術。
基本的に天魔くんちゃんよりも低い階級の魔術を組み込んで運用するのだが、今回は天魔くんちゃんと同じ階級の魔術を組み込むこととなる。
しかも超複雑な第十級魔術ともなれば、俺が苦戦するのも無理はない。
後、言い訳じゃないんだけど、単純に精神的な疲労があったというのもある。
ほら、心理顕現で常に精神力が枯渇しているから、かなり辛いんだよね。集中力が持っていかれて頭が回らなかった。
しかし、俺は完成させたのだ。対傷だらけの王者用の天魔くんちゃんを。
これが上手く行けば、天魔くんちゃんでも簡単に傷だらけの王者を屠る事が出来るだろう。
「一応、第十級魔術の範囲で収まったな。第十級魔術を組み込んだ第十級魔術なのに、分類が第十級魔術とはこれ如何に」
「天魔くんちゃんは、第十級魔術の中でもかなりリソースの少ない魔術だからできた芸当ね。元々、魔術に魔術を撃たせるために作った存在だからそっちに魔力や魔法陣の大半を持っていかれているのよ」
「俺ってもしかしてとんでもない発明してない?」
「してるわよ?昔から。唯一の欠点は、消費魔力量が尋常じゃない程に大きすぎて、ジーク以外に使える人が居ないって事かしらね。こんな馬鹿げた魔術、私でも運用できないわよ」
エレノアの“運用できない”は、おそらく“常に維持することは出来ない”って事だろうな。
しかも、軍隊運用での話。エレノアもレベル380異常性あるのだ。天魔くんちゃんを一体維持するぐらいはできるはず。
しかし、軍隊として運用するのはあまりにも魔力消費が大きい。
エレノアと俺とでは、常に回復していく魔力量があまりにも違いすぎる。
エレノアも十分に化け物じみた魔力回復量を持っているのだが、俺のように溢れんばかりに魔力が回復する訳じゃないもんな。
俺は魔力切れを体験したことがないし。
「使える魔術が3つだけになった代わりに、第十級魔術を覚えた天魔くんちゃん達を使って、王者を狩りにいかてせてみるか。楽しみだな」
「私達はここから離れられないから、視界共有ができる子達を連れていきましょうかね」
「だな。実際に戦っているところを見て、改善点とか問題点が見えてくるだろうし」
「と言うか、今更過ぎるわよね。もっと早く気がつくべきだったわ」
エレノアはそう言うと、“はぁ”とため息を着く。
まさしくその通りである。こんなにも有効的だと思われる魔術の存在を忘れてしまっていたとは。
デメリットばかりを考えていたから、広域破壊の時にしか使わないなーと思っちゃったんだよね。実際、作ってみたが他の魔術の方が使い勝手が良かったし。
「気がつけるだけすごいさ。俺たちの悪い所は、魔術を作りすぎて手札を有効的に使えないってとこだな」
「それはそうね。魔術の整理もしたはずなのに、どうしても手札がこんがらがるわ」
俺とエレノアは、自分達の弱さを再確認しつつ傷だらけの王者の討伐に天魔軍団を向かわせるのであった。
後書き。
対生物決戦魔術を既に使っているジーク君。尚、エレノアに使えないので存在を忘れがちな模様。
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