修羅の大陸魔界
デモットと名乗る悪魔を捕まえた俺とエレノア。これでようやくこの大陸の事や、悪魔の話が色々と聞ける。
最悪、拷問して心をへし折った後に洗脳して話を聞けばいいし、人間じゃないとやりやすくて助かるな。
悪魔は殺してよし!!とグランドマスターからお墨付きを貰っているので、こいつらに人権などない。扱いは魔王とか魔物とかと一緒で構わないという訳だ。
「どうするジーク。最初から目でも抉り出して心をへし折る?そっちの方が早いわよ」
「んー、それでもいいけど、悪魔の耐久力とか分からんし取り敢えずは普通に話してみようぜ。もしかしたら、今後も仲良くお話できるかもしれんしな。おいデモット。自分の状況をよく考えた上で発言しろよ?生きたければ知ってることを全て吐け」
「ひっ........」
俺は、脅しの為に殺気を全開にしながらにっこりと笑う。
レベル300近くの殺気をまともに食らったデモットの顔は、それはもう引き攣っていた。
下手をしたら漏らしていそうな顔だ。ちょっとだけ申し訳ないかもな。
「ここは悪魔達が住む大陸だよな?」
「は、はい。そうです........」
「よし........まずはそうだな。悪魔の爵位について教えてくれよ。俺達は魔界に来たのが初めてでな。何も分からないんだ」
「は、はいぃ。爵位とは........えーと、悪魔の強さを表した階級のことです。1番上が王で、その次に大公級、公爵級、侯爵級、辺境伯級、伯爵級、子爵級、男爵級、準男爵級の九段階に別れています」
「大公が強くて、準男爵が弱いってことか?」
「はい。ですが、準男爵級悪魔でも俺達のようなただの悪魔よりもかなり強いです。少なくとも、俺ぐらいの奴が三人は居ないと勝てません」
お前みたいなのが三人いるだけで勝てるのかよ。
いや、もしかしたらコイツが実は爵位を持ってない中では強い可能性もあるか。
王を含めて九つの階級に分けられていて、その中で俺達が戦ったのは下から三番目。
下から三番目の強さで絶望級魔物レベルの強さがあると考えると、悪魔の王はとんでもなく強いな。
ハッキリ言って勝てる気がしない。
俺達が相手にできるのは、辺境伯級悪魔ぐらいまでか?だとしたら、かなり気をつけないと死ねるな。
「油断しているつもりは無いけど、気を引き締めなければならないわね。私達が倒したのは子爵級だったわ」
「だな。おい、その爵位を持つ悪魔ってのはどれぐらいいるんだ?」
「正確な数は分からないです。何せ、準男爵級まで入れるととんでもない数になるので。ただ、大公級悪魔は4人、公爵級悪魔は8人と決まっています。それ以外は、王から授かるか、奪い取るかのどちらかです」
なるほど。王を除いた上二つは数が決まっているんだな。
まぁ、そんなに偉いやつがポンポン出てきても困るだけか。
準男爵級悪魔とかは数が多いんだろうな。
「奪い取るってどういう事だ?」
「下克上ですよ。俺達のような爵位を持たない悪魔が、下克上を挑んだり、爵位の低い悪魔が爵位の高い悪魔に下克上を挑むんです。で、殺しあって勝った方が全てを手に入れます」
「よくある事なのか?」
「日常茶飯事です。酷い時は毎日変わる時もあります」
とんでもない戦闘民族じゃねぇか。
修羅の国だよ。毎日毎日下克上とか、この大陸ヤベーな。
そりゃ、悪魔と人類が戦争しても苦戦するわけだ。むしろ、今の今まで無事に人類が存続できていたことが凄い。
毎日戦っているような奴らが収める国と、書類に向き合って座り続ける国。
そりゃ、純粋な戦力じゃ悪魔の方が上にもなる。サラッと破滅級魔物が出てくる様な土地だしな。戦う相手は不足しないか。
俺が悪魔ヤベーなと思っていると、次はエレノアが質問をなげかける。
「爵位を持つと、何かいい事でもあるのかしら?」
「自分の土地が貰えます。街を収めて、その街に住む悪魔達を好きなようにできます。悪魔は強者に従うのが常ですから」
「お前、俺らにボコられたのに口だけは煩かったけどな」
「い、いやぁ........ホントすいませんでした」
苦笑いを浮かべながら謝罪を口にするデモット。本能的に勝てないと察したのか、かなり大人しくなったな。
後、子爵級悪魔を倒した話をしたら、引きつっていた顔が更に引き攣っていた。
それだけ、子爵級悪魔と言うのは強かったのだろう。天の門に飲み込まれて俺のレベル上げを手伝ってくれただけだが。
「悪魔も統治をするのか。って事はやっぱり街があるんだな?」
「もちろんあります。まぁ、俺が昔読んだ本にあった人間の街みたいな統治では無いと思いますけどね。取った食料は全部献上。食える肉はごく少数。酷い時は、悪魔同士で飯の為に殺し合いが始まりますから。俺のように支配から逃れて自由にやるやつも多いです」
「なんでそんな圧政の中で生きてるんだよ。反乱とかはしないのか?」
「しても勝てないし、何より俺達のような自由にやっている悪魔は守ってもらうことが出来ないんですよ。全てが自己責任で、死ぬ時も1人。街に入ればその時点で曲者扱いで攻撃されますから」
あぁ、なるほど。反乱されても問題ないように食料とかを吸い上げて力を奪っているのか。
悪魔の統治はかなりやり方が酷いな。これなら汚職まみれの生かさず殺さずの政治をやっている国の方がマシな気がする。
........いや、どっちもどっちか。酷いことに変わりは無いしな。むしろ、目に見えない暴力を振りかざす方がタチが悪いかも。
「悪魔の世界は残酷だな。支配下に入れば虐げられ、自由を得れば悪魔の枠組みから外れるのか」
「そんな感じですね。俺は50年前に街を飛び出して1人で生活してますけど、ちょっと寂しい時もありますよ。後、普通に死にかけるんで。怪我とかしたら最悪ですよ。街での治療もできないです」
「治療はしてくれるのか?街に居たら」
「貴重な労働力ですよ?ギリギリ死なない程度に生かすのがやり口ですから」
やっぱりどっちもどっちだわ。悪魔も苦労してんだな。
「そんな中で反乱なんてできんわな。と言うか、街の人達全員で戦えば勝てるんじゃないのか?」
「勝って何になるんですか?その後に待っているのは、その後釜に座る為の殺し合いですよ。それと、爵位への挑戦はタイマンでなければなりません。王が定めた規則であり、悪魔たちの中にある絶対の法則です。もしその法則を敗れば、王から罰が下ります」
「王が罰を?どうやって?」
「さぁ?実際に見たことは無いのでなんとも言えないっすけど、聞いた話では反乱を起こした悪魔たちが突如として苦しみ出して死んでしまったそうです。理由は分かってないですね」
「その場に王は居たのか?」
「居なかったと聞きます。だから、王は恐れられているのです」
常に街を監視して、法律を敗ればどこからともなく罰を下せるのか?
まるで精霊王みたいなやつだな。おそらく監視には条件があるとは思うが、遠く離れた場所から攻撃を仕掛けられる時点でかなりやばい。
下手をすると、この状況すら見られている可能性もあるな。
視線は感じないけど、覗き見が上手いやつなら有り得るかもしれん。
「好き勝手に暴れてみようかと思ったが、少し考えた方がいいかもしれんな。明らかに俺達よりも格上だ。実際に見て見ないと分からないが、多分勝てないぞ」
「そうね。悪魔を片っ端から殺してレベル上げは、今の所辞めておいた方がいいわね。まぁ、爵位を持たない悪魔たちの経験値はかなり少なそうだから、そこまで気にはならないわ」
「だな。レベル上げも大事だが、先ずは悪魔を知るところから始めるか」
明らかに俺たちよりも強い存在が居るのにも関わらず、その領域で好き勝手に暴れるのは死を意味する。
師匠と出会った時がいい例だ。何度も言うが、あれは運が良かっただけである。
俺は、思いどおりには行かないなぁと思いつつ、とりあえずデモットの足を治してやるのだった。
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