もう届かない

 飛行機雲が、西から東へと大きなを描いた。


 あれに貴方が乗っているわけではないのに、貴方が今、遠くへと向かっていることを思い出してしまう。


 ほんの短い間で、私は貴方にとっては何でもない存在だったかもしれない。


 それでも私にとってはかけがえのない思い出。


 それをただ、思い出してしまうだけ。

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