逢瀬

 恋人の留守に、合鍵を使い忍び込む。帰りを待ち、驚かせるつもりだ。


「ふふ、泥棒みたい」


 しかし待つうちに、つい居眠りを──。


 玄関ドアの開く音で目を覚ました。聞き慣れない声がする。恋人の隣に知らない女がいる。


「この泥棒猫!」


 飛び出して女に掴み掛かった。すると恋人が制止した。


「誰だお前」

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