動物たちに自由を

 動物園を閉園し、動物を解放した。


「好きな場所で自由に生きろ」


 しかし動物は言う。


「無責任な話だ。食うに困るかも知れんのに誰が出て行く」


「では食事と寝床ねどこは用意しよう」


「今と何が違う。尚更なおさら出て行かん」


「では食事は有料だ」


「そうか」


 動物たちは『見物料』と書いた箱を置き、各々の檻に戻った。

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