入水

 人生に別れを告げようと海へ来た。


 水に入りゆっくり沖へと歩を進めた。


 しかし、どれだけ深くまで進んでも一向に苦しくならない。


 歩くのに疲れて一旦家に帰り、家族にこの事を愚痴ぐちると「素潜りの世界記録だ!」なんて言われ、そこからなんやかんや流れで素潜りの選手になった。


 今日も死ぬ気で潜ってる。

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