あるべき姿

 幽霊の『あるべき姿』が見られるという町へ来た。


 時折ときおり写真を撮りつつビデオを回し、町の人に話も聞いてみるが、誰も幽霊を知らないようで要領を得ない。


 何もないまま帰り、撮ったものを確認してゾッとした。


 写真に人が写っておらず、それどころか、ビデオでは私が廃墟に向かって一人で話しかけていた。

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