思い通りにいかなくても

 突然上下の感覚が反転した。


 問題ない、前進あるのみだ。


 次は左右の感覚が反転した。


 大丈夫、前しか見ていない。


 何と前後の感覚が反転した。


 前進しようとすれば後退する。


 前進するには後退しようとするしかない。


 これではどうやっても後向きだ。


 私は項垂うなだれた。


 つもりが上を向いていた。


 雲一つ無い空だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る