俺に構わず

 野犬に噛まれた足に激痛が走る。追い払うことはできたが、最早もはや足手まといだ。

「俺に構わず行け。お前一人でも宝を見つけるんだ」

「構わずだと? この状況でそんなことできるはずないだろ!」

 仲間は俺に駆け寄り、傷口を確認し、どんな痛みかを聞き、写真を撮って、一通り構うと手を振って去って行った。

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