どこかの誰かの

「ドナー見つかるかな」

「きっと見つかるさ」

 親友は僕の背中を叩いた。

 暫くして本当にドナーが見つかった。

 無事退院して、急いで親友の家に向かう。

「少し前に事故に遭ってね……。でもあの子、臓器提供の意思表示をしてて、今は誰かの命になってるのよ」

 遺影に手を合わせると、心臓が僕の胸を叩いた。

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