彼方から舞い落ちる結晶

 貴方と二人でいた頃は、どんなことでも辛くなかった。それは第一に貴方がいたから。酷い扱いを受ける仕事も、お金がなくてケーキが買えないクリスマスも。貴方と二人で過ごす冬は毎年雪が降って、抱き合いながら結晶が舞う空を見上げていた。今年は冷たい雨が、刻まれた貴方の名前を濡らす。一人の冬。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る