着信音

「俺の着信音可愛いよ。鳴らしてみて」

 そんな誘い文句で、私の番号は彼のスマホに記憶された。それからデートもしたが、深い関係にはならなかった。

 真夜中。物音で目を覚まし、暗闇に人影を見た。トイレに逃げ込み、咄嗟に助けを求めて彼に電話する。ドアの向こうで、耳馴染みのある可愛い曲が鳴った。

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