枠に収まらない者

 一族には掟があった。

「大きくなる者には近づくな」

 何故だか時々、異常に大きくなる者が現れる。誰もが殆ど差もなく同じ大きさの中、とても目立つ大きな者は好奇の眼差しを向けられる。しかし大きな者は意に介さず、嬉々として何処かへと旅立って行く。そして一族はまた、小さく固まって慰め合うのだ。

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