逃避

「地球からの応答はまだないのか」

 未知の惑星を探索中、船長と乗組員五名は原生生物に襲われ宇宙船に避難していた。

「いいか、絶対に希望を捨てるなよ。希望を捨てたら死んだも同然だ」

 船長は常に語りかけた。乗組員達の亡骸の入った宇宙服に向かって。二度と飛び立つことのない、壊れた宇宙船の中で。

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