未完

 小説家は、何度も物語を書いては丸めて投げ、ゴミ箱は書きかけの小説でいっぱいになり、袋を縛ってゴミの日に出した。

 音楽家は、何度も楽譜を書いては丸めて投げ、ゴミ箱は書きかけの楽譜でいっぱいになり、袋を縛ってゴミの日に出した。

 収集車の中で終わりのない世界に未完成のメロディが流れ込んだ。

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