だから鱈腹呑んだのに

「ちょいとお待ち」

 呼び止められて、何事かと振り向いてみれば先程の旅館の女将だ。何やら険しい顔をしている。

「どうかしましたか」

「子供の遊びじゃないんだ。ちゃんと代金払っておくれ」

「代金なら昨夜酒の席で仲良くなった親父が俺の分も払ったはずだ」

 女将が葉っぱを突き出す。

「……あの狸親父」

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