振り子
「やめなさい」
ドキリとする。誰もいない筈なのに。ここへ来る所を誰かに見られていたのか。
「誰ですか。止めても無駄ですよ」
今日ここで自分は死ぬんだ。こんな人生もう沢山だ。
「そう、そんな人生早くやめなさい」
見上げたところで目が合う。嬉しそうな顔をした女だ。目眩。あ。踏み台が揺れて――。
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