夏休み

 蝉の音と熱気が全身を這い回る様な真夏。非日常に浸り切って、宿題も学校も記憶から消え始める頃、姉に誘われ虫取り網と虫篭を担いで病院裏の雑木林へ繰り出す。学校は休みでも世間は平日なら、昼間は人もいない。主導権は勿論姉だ。疲れても飽きても、蝉を追う。小さな世界は目の前の事が全てだった。

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