最後のアンカー

「無理だ……」

 くじ引きで決める事になった体育祭の出場種目。まるで体力もないのにスウェーデンリレーのアンカーになってしまった。400mも絶対に走れない――。

 保護者や全校生徒が一斉に手を振り、拍手喝采を送る。たった一人、周回遅れで走る僕が倒れる数秒前、顔の前で手を左右に振るのを見て。

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