学校一の真面目だから

「お前今年もすごい量だな」


 学校一真面目な彼は、羨望せんぼうの眼差しに耳を赤くして、鞄に入り切らないチョコを制服のポケットや体操着袋に詰め込む。


「良いなー俺もそんなにモテてー」


 男子は言うが、私は女子の密談を聴き逃がさなかった。


「今年も楽しみだな」


「駄菓子がブランド物になるチョコ錬金術、ね」

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