不幸な人間

 私は世界で一番不幸な人間だ。


 周りには常に監視の目が光り、自由に出歩く事は出来ず、友人達と好きに遊びに行く事など叶わない。毎日命の危険に怯え、寝ている時でさえ叩き起こされ働くよう迫られる事がある。


 合図が出た。


 バルコニーへと歩み出て、国民に手を振った。

 あぁ、あちら側に産まれたかった。

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