第218話 証拠映像
その後も、カメラ一とカメラ二の画面を両方共映しながら、30分程雑談していると、近くに居たスタッフからカンペが出される。
「えーと、もう少し話したいところですが、ここでスペースオペラ二期生の皆さんと交代となります。あっ、俺は何故か司会進行として、このまま残るのでよろしくお願いします。はぁぁ、こういうの苦手なのにな。」
「あ?時間経つの早ぇなぁ!どうせなら、リアルタイムで突撃してくる奴でも見れれば、面白かったのに!!」
「まぁまぁ、二期生の皆さんを待たせるのも申し訳ないですし、二周目に期待しましょう?」
腹一さんを先頭に退出していく一期生の面々と、入れ替わりに入って来る二期生の方々を横目で確認しながら、配信画面に映る一期生のガワを二期生のものに入れ替えて貰う。
あっ、一回、配信画面を隠した方が良かったか?・・・まぁ、今更か。
「えー、準備が整ったらしいので、エストランネさんから自己紹介をお願いします。」
「うっふん!ウッフン!私の名前はエストランネよ!よろしくっ!」
「どもー、母美津 歌恋です!皆さん、ちゃんとご飯は食べましたか?」
「我の名は、「あっ、」シリウス ルガ ラルトゥーナだ!下民共、跪くが良いぞ!!」
「はい、個性的な自己紹介を有難うございます。出来ればこのまま、カメラ三の映像に移りたいところなんですが、丁度今、カメラ一に映る正面入り口で警備員に押し倒されている男性が見えますね。見た感じ、刃物でも持っていたんでしょうか?」
「あらやだ、組んづ解れつって感じね!私も混ぜて欲しいわぁ!!!」
〈エストランネwwww〉
〈ギュッって、目を瞑ってるシリウス君も可愛いね!!!〉
〈この中で一番怖いのが、画面を観ているにも関わらず表情が一切変わらない、歌恋ちゃんって事だな!!〉
〈と言うかこいつ、さっき城東が漏らした挑発のせいで、突撃して来たんじゃないよな?www〉
〈警備員ツエェェェ!!!〉
〈『ツエェェェ』wwwww〉
映像に映っている警備員も慣れたもので、パパっと近くに居た警察に身柄を引き渡すと、何事も無かったかのような表情で、再び警備を始めた。
見間違いかもしれないが、突撃して来た男性が捕まる際、離れたところで様子を見ていた数人が、カメラを確認していた気がする。
「まぁ、無事イベントが治まったのを確認出来たので、予定通りカメラ三の映像を見ていきましょう。」
今度は、俺が言い終わると同時に画面が切り替わり、担当スタッフの方を見れば、こちらに向かったサムズアップしていた。
確かあの人、イラスト関係のスタッフで雇用されたんじゃなかったか?なんか、初対面の人とのノリが良くて、モテてるって聞いてたけど、物覚えも良いタイプ?
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