第211話 週会
「ゴホンッ。話を戻しますと、その記者が向かった先では集会のようなものが開かれていたらしく、そのメンバーの中には、今回のターゲットに選ばれていた記者が複数名確認出来ました。また、その集会には犯人であるブラックハッカー所属の者も訪れている為、警察が逮捕に乗り出すのも時間の問題かと思います。」
「集会ですか・・・。てっきり、電子方面でのやり取りだと考えていたのですが、直接会って連絡を取り合っているのは盲点でした!」
「集会に居る人全員を捕まえる事なんて、出来るんですかね?その前に、警察側でも何かしらの準備が必要だと思いますけど。」
逮捕するのに、集会に参加している奴等一人一人の証拠が必要なら、途轍もない時間が掛かるし、もしも、先に捕まえて証拠が出て来るなら、その証拠がある場所を調べなければ、後から面倒ごとを呼ぼ寄せるかもしれない。
「そして、これは私も耳を疑った情報なのですが、その記者が向かった建物の位置は・・・、このスペースオペラ正面入り口から見て、すぐの場所にあるアパート、バージハウス608号室でした。調べたところ、つい最近までこのアパート自体は何処かの会社の所有物となっていたらしく、今は個人所有となっているようです。」
「はぁ⁉目の前じゃねぇかよ!!」
「・・・こちらが対応に追われている姿を眺めながら、見下しているつもりなのでしょうね。」
「城東と真田!ちょっと、突撃して来て!!」
「ムカつくやっちゃなぁ!もう少し早く気付けりゃあ、牽制ぐらいは取れたんちゃうんか?」
確か、いつも使っているコンビニに行く道の途中に建っている、大きなアパートがそんな名前だった気がする。
犯行(?)を行った会社の目の前に居座るとか、余程の後ろ盾があるのか、それとも唯の馬鹿なのか。
噂では、突撃してくる記者達に金を払っているらしいが、その出所も気になるところだ。
「残念ながら、これ以上の情報を集める場合、法律に反する可能性があるので難しいですが、現状を打破するには十分だと判断出来ます。」
「現在は私の方で、色々な方面に手を回しているから、もう少しの辛抱だと思ってくれ!特に、警備巡回をしてくれている男性陣は、無理をしない範囲で頑張って欲しい!」
「相手がこの事に気付いた時、どんな動きをするのか分かりませんけど、気を抜かないようにしたいですね!」
「まずは、今日の担当である、俺と腹一さん、真田さんの三人が、様子見みたいな感じでいきましょうか。後、外の警備員の方達には、例のアパート付近を中心に警備して貰えれば、有難いかもしれません。」
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