第146話 『スペースオペラの大食漢 #1』#スぺ食
「ふぅぅ、一先ず、全品完食することが出来ましたね。思っていたよりも、量が多くなってしまった点は、改善した方が良いでしょうけど。」
「おいおいこれからが本番だってのに大丈夫か?まぁ、見た感じだと余裕がありそうだから、心配はしてねぇけどよ!」
「調理法の御蔭なのかは分かりませんが、油物にしてはサッパリしていたり、三品目の『あっさり湯豆腐サラダ』が完璧に刺さりましたね!!それに、それぞれの味がが濃いせいか、お酒もしっかり進むので気を付けたいですね!」
「はい、御二方から感想を頂いたところで、今日の本題にもなっている、『大食い』のルールについて説明していきましょう!」
そう。タイトルにも書いてある通り、俺達は『大食い』と言う名目でやっているのを忘れてはならない。
今回のルールは至って簡単、先程、視聴者に向けて紹介しながら食べた、『バッチ濃さんおすすめメニュー三品』を順番にループしながら食べ続け、三人合わせて10ループすれば企画成功!
もし、10ループ出来なかった場合、一番ループ数が少ない人が全額負担。恐らく、城東さんが気合を入れているのも、これが理由だ。付け加えるなら、紹介中に食べた物は、大食い企画のループ数に加算されている。そうでないと、流石に辛すぎるからな。
一品目は勿論、『バッチ濃い串カツノック』。
二品目は、『ネギチヂミ』。普通のチヂミよりも濃い味付けがしてあり、串カツソースに搔き消されない風味が特徴だった。
三品目は腹一さんが紹介した、『あっさり湯豆腐サラダ』。レタスとシーチキンが程よく入っており、黒コショウと和風ドレッシングとの組み合わせが最高だ。値段もお手頃。
この三品を、食べられるだけ食べ続け、目標を達成することが出来れば、今回の企画は大成功となるだろう。少々、串カツの量が多いような気がして、俺の心の中は穏やかでは無いが、事前の会議では城東さんが『困ったら俺の方に全部回せ!』と、啖呵を切っていたから信じよう。
「それでは、スタッフさん方、よろしくお願いします!」
「っしゃ!ガンガン飛ばすぜぇ!!」
「取り敢えず、ペースを崩さないように食べていきますか!」
俺の開始の合図と共に、スタッフ達によってテーブルの上が料理で溢れていく。
〈城東頑張れ!!!〉
〈中年にはキツイだろうな!!www〉
〈観てると胃もたれしそうだ!wwwwwwwww〉
〈奈落も早く手を付けろ!〉
〈『このコメントは削除されました』〉
〈『このコメントは削除されました』〉
〈他に飲み物は用意しなくて大丈夫そう?ww〉
〈チヂミって食べたこと無いんだよなぁ!〉
〈純粋に、串カツ15本ってキツくない?ww〉
〈城東が速い速い!!〉
〈もう串カツ食べ終わったの⁉城東ヤベェ!!〉
〈腹一見てると、オヤジの一人飲みを思い出すwwww〉
〈俺も一人飲みが多いから、人の事見て笑えねぇよ!〉
〈城東!ポロポロ落ちてるぞ!汚い!wwwww〉
流れが速くなったコメント欄から目を離し、レンコンの串カツを掴む。
「なんでこんな配信を、6万人もの人たちが見てるんだろうな?」
口の中が、濃いソースの味で一杯になった。
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