第102話 リサイクル
午後7時
今日もいつものようにvoltexの配信をしている。ちょっと違う部分は、コメント欄を見ていないことと、雑談をしていない事だ。
昨日の夜、伸二さんと話たことで、ある程度の落ち着きは取り戻すことが出来た。その時に、『これからの配信をどうしていこうか』考えた時に、一つ面白そうなことを考えた。
「いやー、仲間の人強いなぁ。っと、もう6時間経ったのか。まだまだ配信は続けるので、よろしく。」
コメント欄で騒いでいるゴミが今、どんな顔をしているのか気になるが、コメント欄は見ない見ない。
スマホで自分の配信を開くと、同接者数は2万人。笑いが止まらない。
「ゴミはリサイクルしないとな。」
コメント欄は見ない****人の悪意を感じて気分が悪くなるから
雑談はしない****コメント欄を見てないから雑談出来ないし、する気も無い
収入が減るのは困る****現状、配信を荒らしに来る閲覧者が豊富
配信に俺の独り言を乗せる****『俺はお前らを気にしていないぞ』と言う煽り
これが昨日思いついた配信方法だ。まぁ、簡単に言えば炎上商法に似たようなものでもある。実際、炎上してなかったら、誰もこんな配信を見には来ないだろう。
荒しに来てる奴等はゴミ同然。ゴミはリサイクルしないと。
配信の概要欄には、『配信を純粋に楽しみたい方は、コメント欄は見ないことを推奨します』と書いてあるので、多分大丈夫だろう。
今現在のコメント欄はこんな感じ。
〈犯罪者はOね!!!〉
〈コメント欄見ろや!!!!!〉
〈お前は絶対Oす!!!!〉
〈配信止めろ!!!!!!!!!!〉
〈Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!〉
〈さっさと刑務所に戻れ!!!!〉
〈ここのコメ欄おもしろ!!〉
〈無法地帯で草〉
〈Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!Oね!!〉
〈人Oしは犯罪だって知らないのかな?ww〉
〈また人Oしをする前に捕まえろ!!!〉
〈ここにも事情を詳しく知らない癖にイキってる奴らが居るなww〉
〈犯罪者擁護集団は消えろ!!!!〉
当然のように誹謗中傷が飛び交う。
配信中はずっとこの状態が続いていて、時々現れる『ブラックハッカーの被害者達を非難するな!!』と呼びかける奴等との争いまでコメント欄でやっている始末。
どんどんヒートアップするコメント欄を見て楽しんでいる奴等も居る為、配信時間が長ければ長いほど喜ばれる。
人の内面が一番出やすいインターネットだからこそ、ここまで荒れているのだろう。
「表面上のものしか見ないのだから、コメント欄を見なくても何が書かれているのか予想が付くから面白いよな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます