第14話 コラボ後
午前11時
突発の初コラボを終えた次の日。
今日の配信準備を進めていた。と言っても、サムネを少しいじるだけなのだが。
昨日の配信終了後から、チャンネル登録数が6000人を超え、FANHOMEもフォロアー数が5000人を超えた。
これらは全て、和葉さんの影響だ。カグヤ・ユリさんからの影響も少しはあるのだが、あちら側のほとんどの視聴者からは、批判で一杯らしい。掲示板も大盛り上がりだ。
どうやら、ユリさんは今まで、男性VTuberとコラボをしたことが無かったのだとか。和葉さんの方にも批判コメント等が挙がっているのかと思い、調べてみたところ、1つも批判コメントが無かった。気になって確かめると、和葉さんの場合、男性VTuberのトップにも君臨している人とのコラボだった為、利害関係という事で落ち着いたようだ。まあ、簡単に説明すると、『コラボすることを許すから、カグヤ・ユリのチャンネル登録者を増やしてくれ』という訳だ。
普通の視聴者ならば、こんなことにはならないのだが、残念ながらカグヤ・ユリさんの視聴者のほとんどはユニコーンやら、ガチ恋勢だったらしい。
ユニコーンとは隠語のようなもので、例えば『OOちゃんはアイドルなんだから、男の人と絡まないで』等、ちょっと拗らせちゃった人、という意味だ。
ガチ恋勢も、簡単に言うと拗らせである。
結果、チャンネル登録者も他と比べて少なく、パッとしないような姿の鬼道 奈落にヘイトが集中してしまった。
だからと言って、こちら側に問題が起きたかと言えば、何も起きてはいない。てっきりアンチコメントでも、飛んで来るかと思ったのだが。
なんにせよ、配信を荒らされる心配が少なくなって良かった。これで配信があれてしまったら、雑談配信どころでは無くなってしまうし、『イレイザー』さんに、コメントをいちいち消してもらわなければいけないところだった。あれから『イレイザー』さんは毎日、配信中に見かける。俺と同じ無職なのかな?と失礼なことを考えたこともある。
配信準備を終え、時計を見ると12時を過ぎていた。
「そろそろ飯でも食うかな。」
椅子から立ち上がりキッチンに向かう。
飯と言ってもカップラーメンしかないのだが。ちなみにシーフードヌードル。
いつも通り湯を沸かし、カップラーメンに湯を注いだら、デスクに戻り、最近のOOさんじ関係の切り抜きを探す。
ホラーゲームやFPSゲームのコラボなど多く切り抜きが上がっている。
その中には、昨日の配信の切り抜きもあり、結構の数が再生されているようだ。
カップラーメンを食べながら、切り抜き動画を観る。至福の時間だ。
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