第十一章第二話
当日。メンバーは、頼、懐、モヤシ、虎男。
全員出席。
「今日楽しむぞー!」
「おー」
「お、おー」
「何で俺まで」
「まぁいいじゃん」
「あぁ」
「よし、行くか」
お化け屋敷にて。
頼&モヤシペア
「きゃー!無理無理!頼君!」
「痛い!痛い!大丈夫だって」
懐&虎男ペア。
「お゙ぉ゙ぉ゙」
「……」
「……」
「お゙、ぉ゙ぉ゙……」
「帰って行ったぞ。アイツ」
「虎男君が怖いからじゃ無いの?」
「いや、お前が…」
「何?」
「いや、何でもない。俺が怖いから逃げて行く」「そう」
ジェットコースターにて。
頼&モヤシペア。
「うおぉぉぉぉぉ!」「きゃー!」
懐&虎男ペア。
「ひぃぃぃい!」
「わぁ。凄い。ジェットコースター初めてのるかも」
「お、お前怖くないのかよ!」
「うん。車酔いとかにも強いしね」
「そう言うことじゃ…って、わぁぁぁ!」
「おぉ」
一旦休憩。
「いやー面白いなー」
「もうげっそりだよ。よく普通でいられるね。」「絶叫系無理なんだな」
「うん」
「ちょっと水買ってくるから待ってろ」
「ありがとう」
「モヤシちゃん大丈夫?」
「懐ちゃん。ありがとう」
「右、左、前、後ろよぉし」
「懐ちゃん?」
『治して』
「あっ」
「治ったみたいだね」
「懐ちゃん?今のは?」
『忘れて』
「…………」
「おーい。水買って…。って」
「ありがと。置いといて」
「人がいないからって」
「いいでしょ」
「んっ…。あれ?懐ちゃん?頼君?」
「おっはー!」
「うん。おはよう」
「じゃ。次行くか」
「あっ。うん。次どこ行く?」
「観覧車」
観覧車にて。
懐&虎男ペア。
「おい。お前本当にこれで良かったのか?」
「…なんの事?」「アイツらがペアで」
「まっ。人の恋は応援したくなるものだよ」
「変な力を持っててもか?」
「!?」
「悪い。見ちまった」
「じゃあ…」
「その前に聞くけど。てめぇは何だ?」
「…」
「もしもアイツらに害を成すような奴だったら、命はってお前を殺す気で殺る」
「…随分成長したね。虎男君。でも、そんなんじゃないよ。私は神様だもん」
「そうか。だから…。何の神なんだ?」
「運命を定める」
「…?」
「もし、モヤシちゃんが頼君に告って成功したとします」
「おう」
「私はその『運命』を変え、振られた事に出来ます」
「そうゆうのか」
「うん。この力は何でも出来る。この遊びだって、私がその運命にしたかもしれない。モヤシちゃんが頼君の事を好きになる運命になったかもしれない。
なんなら、この世界で死んでる人は全員私がその運命にしたかもしれない」
「大規模だな」
「そう。死を決め、生を決め、これから生まれて、死んで、そんな人生を決め 、この星の結末を決めれる」
「…」
「でも、今の私にはそんな力はない」
「へぇ」
「大規模な運命を決めるなら、何かを代償にしなければならない」
「代償の糧となるのは?」
「幸福、不幸、人」
「じゃあ聞く。その代償は今までどのくらい払った?」
「ゼロ」
「はっ…?」
「私はそんな悪い神様じゃないの。あと、代償にするのなら、私自身かな?」
「何で、お前はそんなに…?」
「頼君に感化された。」
「そうか。俺たち、似た者同士なのか」
「そうだね」
「ちなみにどれくらいで、代償を払うのか?」
「一日規模か地域規模」
「雑魚っ」
「殴ろうか?」
「ごめん」
頼&モヤシペア。
「綺麗だねー」
「そうだな」
「今日、一日中楽しかった」
「俺も」
「あのね、頼君。頼君に聞いて欲しい事があるの」
「何だ?」
「頼君。大好きだよ。」
「えっ?」
「友達としてとかじゃなく、恋愛的に」
「???」
「私、頼君に助けて貰った時から好きなの。だから、私と、付き合ってくれる?」
「あっ、え、ちょ、ぇぇ?」
「急にごめん。でも、抑えきれなかった」
「…」
「返事は?」
「ごめん。俺、好きな人いるんだ」
「わかってるよ」
「…」
「わかってるけどなんでこんなに悲しいの?何で?決めた、はず、なのに、グスッ。何で?何でこんな悲しいんだろう」
俺は暫く何も話さず、ただ撫でてやるしかなかった。
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