親密度が上がるたびに被ダメージが上昇する命懸けの恋

魔王と聖女、相入れないはずの2人が運命の番だったという話の中でまず他の人にもオススメしたいのは物語の世界観が優しく読みやすい事と魔王が男前な事です。

通常、魔王と聖女という種族も生き方も異なりそうな組み合わせであるため、よくあるものだとどちらが同族から異端扱いされるけど異種族である彼ら(彼女ら)からしたら普通の事として受け入れられるという、どちらか一方の倫理観に沿った形で結婚、たとえば魔族的思考の人間、あるいは人間のような魔族との結婚というものが見かけがちですがこちらの作品では違いました。

この作品では魔族も人間も倫理観や価値観に大きな齟齬がなく(いやむしろ魔王の方が人間よりまともですらあった)、すれ違いや勘違いが起きる事なく過ごせているので安心して読めます。
しかも魔王様がダメージを受ける覚悟でしっかりプロポーズするところに、とても心打たれました。
愛しているからこそ自分らしくない(本来の自分では出来ない)言動すらやってのけるところに2人の幸せを願わずにいられない作品でした。今回は短編で結婚までの話でしたが今後の2人の行く末が見れる日を楽しみにしています。
たぶん魔王様、ナルシストに加えて親バカも加わりそうで今からワクワクしてます♪