中学生の日常

ムリ

抜き打ちテスト

 中学生の頃、自分のクラスの女子が自分の事を好きか嫌いか当てるゲームをしていた。


どういうゲームかというと、

自分のクラスの中の女子が自分の事を好きか嫌いか当てるゲームだ。


早速だが、出席番号一番の有田に取りかかる、時間が惜しいからだ。


 彼女はとても明るい性格で友達も多い、

多分クラスメイト以外にも相当な友人がいることだろうと予想した。


 「一問目っから東大問題が出てきやがったかぁ。」

だが俺は、なんとIQ五千オーバーと、五桁台の天才なのですぐに分かった。


答えは、丸、寄りの三角。

つまり気になっているということだ。


理由は単純計算を使えば簡単で、

気になるが、まだ恋愛対象ではない。だが、いずれ俺を好きになる、という説明ができる。

「楽勝だぁっ、次っ。」


そんなこんなで、次々と女子もんだいを解いていき、開始から約二分、まだ十八人以上も残っている。


「時間はまだだけど、いくらIQ六千オーバーでも難しい問題は時間を使わねぇととけねぇなぁ。」


俺は一通り女子を見て、簡単そうな女子を優先して取りかかる立ち回りに切り替えた。


「まず解く問題わぁーと、出席番号ニ十七番の野田だな、答えは丸、次っ。」


「えぇーと、次はぁ、(2)の②、出席番号で言うところの十六番目だな、答えは、...×と見せかけての丸。いわゆるツンデレさんだ。次っ。」


俺はその後も黙々と解答欄をうめていき、ついに最終女子にたどり着いた。


「これさえ解くことができれば、かなり上位に食い込むはずだぜ。」


そう思いながら女子に取りかかるが、いくら知恵を絞ってもまったく解けない。


「ちくしょぉ、わかんねぇ、ハーバートでマサチューセッチ過ぎだろこの問題ぃ。」


「駄菓子菓子、俺んみてーぇな天才が解けねぇ難問だぁ。他の連中が解けるわけねぇ。」


「ちっ、他の奴とと差を開くチャンスだったのによぉー、仕方ねぇ見直しに時間使っちまったが良さそうだな。」


悔しいが、残り時間も少ない。なので、最後にミスがないか女子を見直そうとしたその時だった。


「おい次ぃ、お前だぞー斉藤。」


山本先生が俺にそう言った。一瞬なんのことかわからなかったが、すぐに言葉の意味を理解した。

「俺としたーぁ事が、朗読の順番がへび式だったとはぁ、俺の順はまわって来ねぇーと思っていたのにぃぃぃー。」


「くそぉぉ、山本めぇえ、くそぉおおおー。」

「だがしゃぁねぇ、昨日怒られたばっかだが先生に聞くしかねぇかぁー。」


覚悟を決め、どこを読むか先生に聴こうとしたその時、天のささやきが聞こえた。


「2ページをめくって、..十三段落の『あたかもしれない』、からだよ。」


言われた通りのところを読んだ。なんとか起こられずに済んだ。同時に後回しにしていた難女も解けた。


「隣の席の黒岩さんは丸。ぜってー丸。」


最後に女子を見直しきった丁度、チャイムが鳴り響いた。


「自己採点じゃぁ70とれてっか怪しいが、まぁ大丈ブイだろ。」


「あ、...次の授業は移動教室だった、急がないと。次は何をしようかな、ふふふ。」


ルンルンと、ニ時間目の音楽の準備をしていた。これが、一人ぼっちの陰キャオタクで、いつもと変わらない僕の日常だった。この時までは、.....。第二話に続く


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