第19話 挨拶は大事だよ。

「グリモワールさんおつかれ〜。」


「リブラさんもね。一回戦勝利おめでとう。」


「2人ともお疲れ様。いい勝負だったね。」


「まあ私は何が何だかわかんないんですけど。」


「ん?何かあったのかい?」


「なんかねー。眠り状態になったと思ったらねー。全く起きれなくなって勝った。」


「ごめんなんにもわかんない。」


「僕も見ていて不思議に思ったよ。雰囲気がガラッと変わって一気に圧倒してたからね。」


「そうなんだ。まあトリガーはだいたい目星ついてるしそれに気をつければいいかな。ちなみにエクスくんなら勝てそう?」


「五分かなぁ。多分あの状態は技を一寸の狂いなく適切な場所で放ってくるから隙もないようだし。」


「そうなんですねー。」


「なんで当の本人が1番他人事なの。」


いや、まあよくわかんないですし。もうなんでもええんちゃう?


【一回戦全試合が終了しました。すぐに2回戦を始めますので8名の選手は準備してくださーい。】


「ほら、エクスさんもうすぐですよ!頑張ってくださいね!」


「ああ、うん。応援ありがとう。(はぐらかしたな。)」


「そうだね。みんな当たり前だけど強者ばかりだから油断しないようにね。(リブラさんはぐらかしたな。)」


「ん?2人ともこっち向いてなんなんですか?変ですよ?」


「はは、ここまで君に言われたくない言葉はないよ。じゃあ行ってくるよ。」


「はーい。行ってらっしゃーい。」


「いや〜、リブラさんってなんかすごいよね。」


「何がですか?」


「いや、うん。いいや。とりあえずエクスくんの応援頑張ろうね。」


「そうですね。」


*****

(エクスサイド)


さっきの人はまあまあだったしね。次はギアを上げていこうかな。


「うぃーす!2回戦に余裕で進出!プロゲーマー兼配信者のSLAVERでーす。次もサクッと勝ってやるから応援よろしくな!」


あの人が対戦相手だね。配信者か。まあ挨拶くらいはしておかないとね。


「スレイバーさん。対戦よろしくお願いしますね。」


「あ?誰だよてめぇ。今視聴者に挨拶してんだよ邪魔すんな。」


「⋯⋯⋯そうかい。それは悪かったね。」


「ああ、こいつこのゲームで1番強ぇーやつなんだ。教えてくれてありがとう視聴者さん。まあどうせレベルちまちま上げて強い気になってるだけっしょ。俺がすぐにやっちゃうかな大丈夫って。」


⋯⋯⋯何分で、いや何秒で終わらせようかな。


【それでは2回戦第一試合を始めます!】


「よっしゃぁ見とけよ!俺の最きょ⋯」


「『静謐』。聖騎士流『虚太刀』」


「ぐはッ!お、おい!ちょっとま⋯⋯」


「プロゲーマーなんだったら相手に挨拶くらいできるようにならないとね。聖騎士流『浄覇』」


「ぐわあああああああああああああ!」


【二回戦第1試合、Bブロックの勝者はエクス選手です!】


「ぴったり30秒。一撃で倒せなかっただけ強いってことかな。まあ二撃目は耐えられなかったようだけどね。」


*****


「ちょっと!早すぎやしませんか?相手そんなに弱かったんですか?」


「弱くはないよ。ただエクスくんがいちばん嫌いなタイプだっただけさ。あ、エクスくんおかえり。ちょうど30秒だったよ。」


「エクスさんお疲れ様です。というか嫌いなタイプって。まあ嫌な感じでしたけどあんな感じの人達って多くないですか?。」


「別に性格が嫌ってわけじゃないよ。ただ挨拶を返してくれなかったのが残念でね。お灸を据えてあげただけさ。」


「エクスくんはほとんどの人に対しては優しいんだけど挨拶とかそういうのを無視してくる輩が一番嫌いらしくてね。気をつけた方がいいよ。」


「まあ挨拶されてし返さないことは無いですけどね。気をつけておきます。」


「ん?なにか言ったかい?」


「い、いえなにも。ただ次の対戦相手について少々⋯」


「秋葉さんについて?簡単に言うとコントロールが正確な剣士だね。ただ真っ直ぐな性格なせいかよく視聴者に騙されてたりしてるからフェイント混ぜて戦うといい試合になると思うよ。」


「なるほど。やってみますね。」


「お、今の動き凄くいいね。」


「ん?ああ蘭さんね。あの人は色々と凄い人だよ。」


「色々と?具体的にどんなところですか?」


「まず使ってる武器が多すぎるんだよね。エクスくんは大剣と双剣の2種類でしょ?」


「そうだね。でも彼は違うみたいだ。」


「ああ、蘭さんの前で彼って言うと消されるから気をつけてね。」


「あ、知り合いですね確実に。」


「え、今のでわかったの?」


「本人と1回やってるよ〜って話をしたので。すんごい乙女ですからね。彼女。」


「女性なのかい?」


「いやオカマですよ。よく化粧水とかオススメのメイク用品とか相談してますよ。あとは格ゲーで世界大会優勝したくらい?」


「なんか最後にぶっ飛んだ話が出てきたね。」


「リブラさんの周りの人は凄い人ばっかりなんだね。」


「確かにそう言われてみればそうですね。あ、蘭さんの戦い方聞いておきます?私一番分かりやすく説明できる自信ありますよ。」


「まああんまりそういうのは好きじゃないからヒントみたいな感じで教えてくれないかな?」


「ヒント⋯⋯。うーん⋯⋯えーっと⋯⋯ああ!じゃんけんでずっと勝ち続けるだね!私じゃんけんで勝ったことがないんだよ。」


「分かるような分からないようないいヒントだと思うよ。」


「まあ戦ったらわかると思うよ!このずっと負けてるって感覚。」


「よく見ると相手の方は凄く焦ってるね。おっ!今のを躱すか!確かにこれはじゃんけんで勝ち続けているみたいだね。読みがピカイチだ。」


「なんとも面白そうな人がいるね。次がとても楽しみだよ!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


なんか切りどころが見つからないので短いです。

ごめんね。


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