第16話 予選終了!

【はいはーいまたまた予選通過者だよ〜!これで16人目!あと丁度半分!頑張ってね〜!】


「どぉぉぉぉぉこぉぉぉぉだぁぁぁぁあ!」


残りは10人見つかんねぇ!いや、見つけたぞ!


「かくごーー!」


「え?くっそ不意打ちか!」


「あーもーくそが!守りやがってよ!」


あらお口が悪ぅござんす。おほほほほ。はい、相手はすごい硬そうな鎧を着ているからかなり面倒くさそう。·····よし。


「くらえ!『眠りの誘い』SP3使用!」


「ぐっ、な、何が、起こった。」


「よし!溜めて溜めて〜。いけ!必殺パーンチ連打!」


顔を狙え!顔だ〜!あはははははははは!


「よっしゃ倒した!次は顔も隠して来るんだな!残り8人!」


【残り人数が10を切りましたのでこれから自分の位置が把握されるようになります。】


「ナイス!頂上に5人、離れて1人。漁夫狙いかな?セコいヤツめ。そして真反対で同じ高さで2人、多分戦うね。よし、そいつらの勝者を倒そう。」


*****


「これで終わりだ!『火炎弾ファイヤーボール』!」


よし、丁度終わったみたい。だったら先手必勝!


「SP1使用!『眠りの誘い』!そっから連打連打連打〜!」


「な!?ぐわあああああああああ!」


私、アサシンの才能あるんじゃない?静かに標的を殺す。ふへへ。かっこい〜!


「えっと今22人目が通過して残り10人か。油断しないで早く終わらせようっと。後は頂上だけだしサクッと行きますか〜。」


えーっと残りは………2か〜。


「え!?2!?あともう私ともう1人じゃん!というかこっちに来てる気がする。予選通過まであと10人切ってるだろうし急がなきゃな。よっしゃ私も向かってやるぞ!」


うへ〜坂キッツ。そんな急斜面だったら転んじゃうよ〜。ん?転ぶ?


「うおおおおおおおおおとまれねえええぇぇぇぇぇえ!」


「やっと来たか!ってはっや!」


案の定転びそう。よく転んでないね。すごい体幹だ。でも止まれないんじゃないかな〜?ニヤニヤ


「リブラ式必殺···············」


「そのまま押し潰してやる!くらえ!『パワーアタック!』」


「··········足払い。サッとな。」


「うぇ?と、止まれな·····」


どおぉぉぉぉぉぉおおん!


「うわぁ〜めっちゃ痛そー。ん?まだ体力あるのか。厄介だなぁ。まあでも動いてないし追撃でってうわっ!?」


痛った転んだし!って止まれない!?なんで!?あっ、ぶつかる。


どおぉぉぉぉぉぉおおん!


「ぐわあああっ!く、くそが!後1人だったのに··········。」


あ、勝った?よっしゃ〜!見たかコノヤロー!


【ステージ転び山、グループ21の勝者が決まりました。順位は26位。予選通過です!おめでとうございます!】


やったー!予選通過だー!というかこの山転び山って言うんだ。変な名前だなぁ。


【予選通過者専用のフィールドに転移します。】


しゃ!他の奴らの顔でも拝んでやるか!


*****


「あ!エクスさん。予選通過おめでとうございます。」


「あ、リブラさん。予選通過おめでとう。見てて面白かったよ。」


「あっはいありがとうございます。そういえばグリモワールさんは?もう予選通過してると思ったんですけど。」


「ああ、それならあれを見てご覧。多分残りのグループで1番面白いよ。」


「空中???どゆこと?あ、グリモワールさんだ。アイスさんもいる。2人とも空飛べるようになったんですか!?」


「いやいや、ステージギミックだよ。見た感じ今回は大まかにリブラさんがいた山、僕がいた火山、それに氷山の3つの山ステージと今グリモワール達がいる空ステージ、最後に無人島ステージの計5ステージがランダムに振り分けられて戦ってるみたいだね。ギミックも面白くて僕がいた火山ステージと氷山ステージは一定ダメージに落ちたら終わりの落とし穴があってね。リブラさんがいた山は転んだらなにかにぶつかるまで止まらないステージなんだよね。」


「ああ、だから止まれなかったんですね。」


「そうだね。まあ頂上付近は比較的緩やかだから転びずらくて集まりやすかったりしてたけどね。転がって行く人見てるのちょっと面白かったよ。」


うわ〜。転んだら終わりだったのか。危ない危ない。


「思ったより性格悪いですね。それじゃあ今2人が居る空中ステージは空を飛ぶのがギミック?でも他と比べて易しくないですか?」


「いや、どちらかと言うといちばん大変なステージがここだと思うよ。なにせ空を飛ぶにはMPが必要だからね。切れたら墜落、ジ・エンドさ。」


「え、じゃあ少なければ少ないほど不利じゃないですか!」


「いや、剣士だったり魔法を使わない人はMPを使わないからね。全MPを空を飛ぶことに使えるんだ。でも魔法を使うプレイヤーはMPが多い分気をつけないとMPが切れて落ちてしまうんだ。なかなか上手い調整だと思うよ。あと性格も悪い。」


「うわ〜。やっぱりえげつないやつでしたね。やっぱりレンくんえぐいなぁ〜。」


「ん?誰だいその人。」


「ああ、私の友達でこのゲームの開発者の1人ですよ。勝負決まるまで聞きます?先生泣かしのレンくん伝説。」


「ちょっと気になるかもね。あと2人で予選通過者決まるしそれが終わってから聞こうかな。」


「分かりましたー。じゃあ決まるまで2人の応援でもしますか。」


*****


「サシで勝負するのは楽しいな!グリモ!」


「そうだね!アイスくん!『火炎弾』!」


「『水弾』!流石に飽きてきたんじゃない?MP気にしても終わらないよ!『小氷塊』『水槍』!」


「『そよ風』!確かに予選通過出来ないのは嫌だね!なら戦い方を変えようか。『火炎槍』!」


「いきなり中級魔法でしかも同時に3個もかよ。さすが賢者様だな!」


「お褒めに預かり光栄。それと上手く引っかかってくれてありがとう。」


「どういうっては!?どっから来た詠唱してないだろ!」


「おやおや、僕の魔法に『無詠唱魔法』があるのをお忘れで?『火炎槍』発射。」


「やっべ素で忘れてたわ。·····今回は俺の負けかー。ちゃんと勝てよ!」


「もちろんさ。観客となって僕を応援でもしてるといいさ。」


【ステージ空中、グループ11の勝者が決まりました。順位は32位。予選通過です!おめでとうございます!これにて予選通過者が全て決定しました!現実での30分後に組み合わせを発表しトーナメントを開始します!】


「いや〜。疲れた疲れた。さて、他のみんなはいるかな?」


*****


「グリモワールさん予選通過おめでとうございます!」


「リブラさんもおめでとう。それとエクスくんもね。」


「ああ、ありがとう。グリモワールもおめでとう。見ていてとても面白かったよ。」


「そうだろうね。というかなかなか鬼畜なステージだったよ。あれ作った人は性格悪いね。僕が保証するよ。」


「それには同意見だね。試合再開はリアル30分後らしいし良ければそのレンくん伝説とやらの話をしてくれないかな?このギミックを考えたと思われる人に興味が湧いてきたよ。」


「いいよ〜。じゃあ比較的わかりやすい『平均点100点事件』でいい?」


「何それすごい気になるんだけど。嫌がらせですごい難しいテスト全部100点取ったとか?」


「惜しいね。平均点100点は当時の私たちのクラスのことだよ。」


「???」


「いやね。中学の時すごい嫌な先生がいたんだよ。まじで、女子男子挙句はほかの先生にも嫌われてるような先生。でも校長先生とか偉い人にはなんでか好かれてるらしくて悪いのは私たちだってなったりもしたんだよね。そこであの先生を潰すためにレンくんが立ち上がったのだよ。」


「なんかもうすごいんだけど。」


「まずはその先生のやったことを証拠として残して私たちは授業全部バックレたんだよ。もちろん憤慨する先生。そこでレンくんが『次のテストでいい結果を残せばなかったことに』的なことを言ったんだよ。まあ性格の悪いあの先生なら普通なら無理難題な問題も出してくるよね。」


「どんな問題が出されたんだい?」


「その人は数学の先生だったからね。フェルマーの最終定理とか出てきたよ。」


「えぇ。頭おかしいとかいうレベルじゃないね。」


「これはちょっと僕でも分からないかな。」


「まあ出てくる問題全部をぶち当てて私たちに理解させたからね。びっくりしたよ。『これを全部暗記すれば今回のテストは100点だよ』って言われて冊子を渡された時は。」


「なんか現代版のノストラダムスみたいだね。」


「分かる。それで見事100点を取った私たちはその無理難題な問題を先生の悪事と一緒にあらゆる方面に送り付けて結果大騒ぎ。見事面子も何もかもを潰して先生はどこかに消えましたって話。」


「お、恐ろしいね。というかみんな覚えれたのもすごいね。」


「ね。不良みたいな人もいたのになんかその人も100点だったからね。何をやったのやら。」


「思ったよりやばいことしてたんだね。このステージ作れるのも納得したよ。」


「ちょっとトーナメントの方も不安になってきたかも。」


「ま、まあさすがにそんな予選みたいなステージは作らないでしょ。多分。」


「そこは断言して欲しかったなぁ。」


「エクスくんに同じく」


*****

(運営side)


「いや〜。ステージ作り手伝ってくれてありがとうね。」


「いやいや、久々に悪ノリできて楽しかったよ。」


「ほんとによくこんなこと思いついたね。リンちゃんもボスもちょっと引いてたよ。」


「あはは、それは悲しいね。でもすぐに決めるにはあれくらいしないとね。」


「確かに。トーナメントのほうは大丈夫だよな?」


「ん?ステージのこと?それなら大丈夫だよ。それに組み合わせも決まってるし何時でもできるよ。」


「ん?じゃあ予選とトーナメントの時間あける理由って何?」


「え?僕がご飯食べたいからだけど?じゃあいつものところ行ってくるから。」


「えぇ。まあ、行ってらっしゃい。遅れないでよ?」


「わかってるって。もし遅れても最近作ったやつが代わりにやってくれるから大丈夫だよ。」


「またなんか作ってる。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


お読み下さりありがとうございます!

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拙い文章ですが精一杯頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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